ドル全面高、米税制改革実現に期待-対ユーロ、対円で7月以来の高値

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  • ドルは月曜にかけて115円トライできるかという展開-三菱UFJ信託
  • 次期FRB議長人事に焦点、26日にはイエレン議長外れたと一部報道
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

27日の東京外国為替市場ではドルがほぼ全面高。米税制改革実現への期待が高まる中、米長期金利の上昇を背景にドル買いが優勢だった。ドルはユーロや円に対して7月以来の高値を付けた。

  主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドルスポット指数は午後3時16分現在、前日比0.2%高。前日には米下院による予算決議案可決を受け、今年1月以来の大幅高(0.7%上昇)を記録した。ドル・円相場は一時1ドル=114円26銭と7月11日以来の水準まで上昇し、同時刻現在は114円20銭。

  三菱UFJ信託銀行資金為替部為替市場課の池島俊太郎課長は、米税制改革に向けて着実な進展が確認され、来週の下院歳入委員会による税制改革案提出に向けて期待が高まる感じになっているとし、「基本的には今日から月曜にかけて115円をトライできるかという展開になる」と話した。

  米10年債利回りは税制改革実現への期待から前日に3月以来となる2.4609%に上昇。27日の時間外取引では一時2.4647%を付けている。また、前日の米株高に続き、日本株も上昇し、日経平均株価は21年ぶりに2万2000円台に乗せた。

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  IG証券の石川順一シニアFXストラテジストは、米税制改革法案の進展、米金利反発、株高維持はドル・円を押し上げるとし、7月高値の114円半ばを抜ければ「115円台に乗せられるかが焦点になる」と話した。

  米税制改革と合わせて、市場が注目する次期米連邦準備制度理事会(FRB)議長人事を巡っては、ポリティコが26日にイエレンFRB議長が候補指名争いから外れたと報道した。

  三菱UFJ信託の池島氏は、現在の米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーでも来年3回の利上げを見ている一方、市場では2回も織り込めていないという中で、次期議長が誰になっても来年の米利上げを見ていく流れは変わらないと指摘。仮にパウエル理事が指名され、ドルが売られても「下値は限定的になりそう」と語った。

  ブルームバーグ調査では、27日発表の7-9月の米実質国内総生産(GDP)は前期比年率2.6%増と4-6月の同3.1%増を下回ると予想されている。上田ハーロー外貨保証金事業部の小野直人ストラテジストは、直近の経済指標からは成長のモメンタムが失われた感じはなく、ハリケーンの影響もあり、「結果が多少悪くても真に受ける投資家はそう多くないだろう」と指摘した。

  ユーロ・ドル相場は一時7月26日以来の水準となる1ユーロ=1.1625ドルまでユーロ安・ドル高が進行。欧州中央銀行(ECB)は前日に量的緩和縮小を発表したが、タカ派的サプライズがなく、ユーロの買い持ち高を手仕舞う動きが続いた。

  三菱UFJ信託の池島氏は、「テーパリングがハト派的だったこともあり、ユーロ・ドルは1.15ドルを試すことができるかという状況」と指摘。「オプション動向でも下の手当てが出来ていないこともあり、もう少し下がりそうな感じがしている」と話した。

  ドラギECB総裁は26日の会見で、資産購入プログラムについて、必要ならさらに延長するとし、政策委員会メンバーの大多数が終了時期をオープンにする決定を支持したと語った。欧州ではこの日、ECBのプラート理事やバイトマン独連銀総裁が講演する予定。

  豪ドルは対ドルで7月11日以来の水準まで下落。豪副首相の二重国籍問題でターンブル政権が下院での過半数を失ったことが嫌気された。朝方発表された豪物価指標の鈍化も重しとなった。

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