好成績の中国マクロファンド、インフレリスク見越し商品と債券空売り

  • インフレ圧力が政府の生産能力削減の取り組みに水を差す-ルー氏
  • 株式を選別物色、消費関連のサプライチェーン銘柄買い
Photographer: Qilai Shen/Bloomberg
Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

中国のインフレ加速が世界的な商品相場の上昇を妨げ、中国国債相場を押し下げる。上海従容投資管理で好成績のマクロファンドを率いるルー・ジュン氏が語った。

  ルー氏は高まる物価上昇圧力が政府による生産能力削減の取り組みに水を差すとみて、鉄や化学製品などの素材を空売りしている。同氏は上海オフィスでのインタビューで、中国国債にも弱気だと語った。

  中国が生産設備を閉鎖し、環境規制を強化する中、鉄鋼やアルミニウムなどの商品市況は急騰した。同国の消費者物価指数(CPI)は引き続き抑制されているものの、食品とエネルギー価格を除くコアCPI上昇率は2.3%と、6年ぶりの高さだ。中国10年債利回りは今月これまでに18ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して3.8%と、2014年12月以来の高水準となった。一部のアナリストは利回りが4%を超えてくると予想している。

  ルー氏は「現時点でインフレ圧力をそれほど感じていないため、中国は供給サイドの改革を続けることができている」と述べる一方、「インフレが上向けば改革を推し進めることができなくなり、商品市況は下落し始めるだろう」と語った。

  深圳市排排網投資管理によると、ルー氏が運用する7億元(約120億円)規模の「従容全天候基金」の年初来リターンはプラス37%で、同種のファンドの96%を上回る成績を上げている。同氏は、素材に対するスタンスを弱気に転じたことでこのリターンを実現。昨年は運用資産のかなりの部分を商品に振り向ける一方、株式のエクスポージャーを低く抑え、全てヘッジしていた。
            

  JPモルガン・チェースの資産運用現地合弁でかつて最高投資責任者(CIO)を務めたルー氏は、「中国の景気回復が物価を押し上げるとの見方から、世界の商品強気派の間では熱狂が再燃した」と述べた上で、「残念だが、彼らは今回失望するだろう」と語った。消費財の旺盛な需要がインフレ圧力を押し上げ、短期的に金利は上昇すると予想、債券を空売りしているという。

  ルー氏は現在、株式の選別物色で消費関連のサプライチェーン銘柄を保有している。中国の消費者ローンの顕著な伸びを受けて国内消費が増えると予想、それが企業業績や賃金の伸びを後押しするとみるからだ。「消費者ローンは当局が全体のレバレッジを抑えたいので短期的に鈍化するかもしれないが、われわれは長期的に消費に対し強気だ」と語った。            

原題:Top China Macro Fund Shorts Commodities, Debt on Inflation (1)(抜粋)

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