野村不HD株1年ぶり高値、自社株買い発表-買収防衛効果も

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  • アナリストの高評価相次ぐ、SMBC日興とモルガンMUFG
  • しんきんアセット藤原氏:不動産より不動産会社買う方が安い
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

野村不動産ホールディングスの株価が大幅上昇し、昨年11月中旬以来、約1年ぶりの高値となっている。株主還元策として大手デベロッパーでは初めて自社株買いを発表したことを受け買いが広がっている。株価が上昇することで、買収防衛の効果もあるとの見方も出ている。

  同社は26日、最大で自己株2.6%を100億円上限に取得すると発表。これを受け27日の市場では一時、前日比7%高の2546円と昨年11月以来の高値を付けた。日中上昇率も今年5月中旬以来最高となっている。三菱地所、三井不動産も上昇し、TOPIX不動産業指数は3日ぶりに反発した。

  野村不HDの自社買いについて、モルガン・スタンレーMUFG証券の竹村淳郎アナリストは26日付のリポートで、「株主還元に対する議論が高まるなかにおいて、大手不動産デベロッパーとして初めて自社株買いを行うものであり、不動産デベロッパー株にとってポジティブと考える」と指摘。

  SMBC日興証券の田澤淳一シニアアナリストはまた、リポートで野村不HDについて「会社側は今後も事業環境や財務状況、株価などを勘案、自社株取得を資本政策の選択肢として検討する方針で、他の不動産会社にも検討機運が高まる可能性がある点でセクター全体にもポジティブな印象」との見方を示した。
  
  不動産価格が上昇する中、多額の含み益や高水準の利益を達成する大手不動産会社に対し、自社株買いを求める声は根強いが、不動産会社は大規模な再開発計画が目白押しで資金を開発に向ける姿勢が強かった。三菱地所の杉山博孝会長(当時社長)は昨年11月のインタビューで、自社株買いを選択肢として検討する必要があるとした一方で、それに充てる金額で丸の内でビル1棟を建てるほうが「企業価値が高まる」と説明した。 

  しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長は「不動産株が低迷している理由の一つが株主還元に対する姿勢だった。今回の野村不HDの自社株買いはそこに一石を投じた。良いことだ」と語った。不動産業界が保有する不動産価値が高くなる一方、株価が低くなっている状況について「不動産を買うより企業を買うほうが安い状況だ」と分析。自社株買いを「株価が低いとTOBなどの対象にもなるため、株価を上げるのは買収防衛効果もある」との見方を示した。

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