ドル・円強気派は警戒せよ、レバレッジドファンドの円売り越しが拡大

  • 売り越しは7月以来の高水準、前回は円が上昇に転じる
  • 米利上げでもドル・円は年初よりドル安・円高
Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg
Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg

レバレッジファンドがドル・円に対して今ぐらい強気だった時、円はその後大幅に上昇した。ドル・円強気派にとっては、注意すべき相場パターンだ。

  シカゴマーカンタイル取引所(CME)国際通貨市場(IMM)先物取引非商業部門のレバレッジドファンドのドルに対する円の売り越しは10月17日時点で8万6430枚と7月18日以来の水準に拡大した。12月の米追加利上げ見通しや衆院選での与党大勝を受けた円安期待が背景とみられる。ただ、7月は同じくらいの規模にポジションが膨らんだ後、7週間で4%近く円高が進んだ。

  米税制改革に対する楽観的な見方や次期米連邦準備制度理事会(FRB)議長がタカ派な人物になるとの観測で、米国の株買い・債券売りなどといったドル上昇につながりやすいリフレトレードは復活した。だが、税制改革への道筋には依然として不透明感が残る。ユーラシア・グループは、米税制改革が年内に議会を通過する確率を35%とみている。次期FRB議長も、オンライン賭けサイトでは最もタカ派とされるテイラー教授を抑えてパウエル理事が最有力候補となっている。

  日本の要因でみると、確かにアベノミクスと日銀の異次元緩和の導入で、2015年央にかけて1ドル=125円台までドル高・円安が進んだ。ただ、同年末以降はFRBのゼロ金利政策解除で日米金融政策の方向性の違いが明確となったにもかかわらず、相場はむしろドル安・円高方向に振れた。今年はこれまで3月、6月と2回の米利上げがあったが、円は年初から2%以上上昇している。

  ドル・円が上向き基調で今年を終えるためには、今のレンジ相場から抜け出す必要がある。それには5月と7月の高値水準の114円30銭~114円49銭から1月19日高値の115円62銭まで、いくつかの抵抗線を突破しなければならない。

  投資家は恐らくこうした円高リスクをオプション相場で織り込んでいるのだろう。ドル・円のリスクリバーサルは今もなお、投資家が円の上昇を見込むオプションに対してプレミアムを支払っていることを示している。

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