スバル、完成車の無資格検査が発覚、今日にも発表の可能性

更新日時
  • 日産に次ぎ2社目、対象車両25.5万台リコール検討-国交省に報告後
  • トヨタ社長は完成検査のあり方について国との話し合いの必要指摘
Photographer: Ty Wright/Bloomberg
Photographer: Ty Wright/Bloomberg

SUBARU(スバル)は27日、車両の完成検査ができる資格が与えられる前の従業員が車両の完成検査に携わっていたと発表した。国への届け出と異なる状態での検査態勢は30年以上続いてきたという。無資格検査の発覚は日産自動車に続いて2社目で、スバルでは対象車両のリコールを検討している。

会見したスバルの吉永社長

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  スバルによると、同社が国土交通省に提出する規定では完成検査員の筆記試験に合格した作業員が車両を市場に出す直前に行う完成検査を実施することになっていたが、実際は現場の管理職が検査に必要な知識や技能を身に着けたと認定した者を監視の下で検査業務に従事させていた。印章の貸与も行っていたという。30日に国交省に報告したあと対象車のリコールを検討。対象は国内ラインで流れる全車種で台数は約25万5000台、費用は50億円強と推測している。

  日産自の問題を受けて実施した社内調査で判明したもので、スバルの吉永泰之社長は都内の本社で開いた会見で謝罪。収益への影響やブランドの毀損(きそん)を心配しており、「トップとしての責任を強く感じている」と述べた。スバルによると、今年10月1日時点で正規の完成検査員が245人だったのに対し、現場の管理職に認められて完成検査に携わっている者は4人しかおらず、人員不足でやらせていたのではないとした。

  スバルの株価は27日、一時前日比3.3%安の3939円と、5月10日以来の日中下落率となった。終値は3969円だった。

  クレディ・スイス証券の秋田昌洋アナリストと高橋宏史アナリストは27日付のリポートでスバルがリコールに踏み切った場合の影響額を30-60億円程度と試算。高いブランド力を持つだけにスバルの品質管理やコンプライアンスに関する懸念の払拭(ふっしょく)が急がれるとした。三菱UFJモルガンスタンレー証券の杉本浩一アナリストは同日付のリポートで、無資格検査が事実であれば税前利益段階で一過性で100億円弱の影響があるとの試算を示した。

  他の国内自動車メーカーではマツダとトヨタ自動車、ホンダなどが調査の結果、完成検査に問題はなく、国交省に報告したと明らかにしている。

社内の規定に矛盾

  無資格者による完成検査をめぐっては、日産自で9月に発覚。10月に入って約116万台のリコールを届け出た。その後の調査で問題発覚後も一部の工場で無資格検査が継続されていたことがわかり、日産自は国内全工場で国内向け出荷を停止するなどの措置を取り、3万8650台を追加リコール。国交省が自動車メーカー各社に過去にさかのぼり、調査を求めていた。

  完成検査は車両の生産工程の最終段階でステアリングやブレーキの利きなどをチェックするもので、新車にとっての車検に相当する。スバルの品質保証を担当する大崎篤執行役員によると、国への届け出の要領では完成検査員が検査を行うこととしていた一方で、社内の業務規定では完成検査員になるためには完成検査の業務経験が必要と義務付けているなど矛盾があり、過去の国交省の監査でも指摘されなかったという。

  日産自の西川廣人社長に代わって日本自動車工業会の会長代行を務めているトヨタの豊田章男社長は27日、東京モーターショーの会場で一連の不正問題について発言。自動車メーカーが委託を受けて実施している現在の完成検査のあり方について国土交通省などと話し合いながら、より安心で安全な方法を探っていくべきとの考えを示した。

  しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長はスバルについて、しっかりとした独自の技術でやってきたというイメージがあり、「一言で言うと残念」とコメント。完成検査を軽視していた可能性があり、そうした体質に慣れると、「いろいろなところで問題」が起こるリスクもあると述べた。その一方で、不正を繰り返していた日産自とは状況が異なるほか、スバルにはコアなファンが多いためしっかりした対策を採れば、「短期に影響はおさまるだろう」と話した。

(スバル社長の会見の詳細や外部コメントを加えて書き換えます.)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE