【起債評価】0.000016%に投資家殺到、国債代替で-学生支援機構

更新日時
  • マイナス金利の日銀当座預金からの資金、投資年限調整のため購入も
  • 同じ利率・価格の44回債以降で今回債は地方勢の購入比率が最高に

奨学金を学生に貸与・給付する日本学生支援機構の応募者利回り0.000016%の新発債に機関投資家が殺到した。国債の代替運用需要を含めて日本銀行の異次元緩和政策で行き場を求める資金が流れ込んでいる。

  第49回日本学生支援債券300億円の2年債は利率0.001%、価格100.002円で20日に条件が決まった。応募者利回りは発行概要では0.000%だが、ブルームバーグで算出すると1億円で年16円利子が付く。それでも日銀の長短金利操作政策で8年以下がマイナスになっている国債の代替運用需要が強い。マイナス金利が付く日銀当座預金の資金振り向け先にもなり、主幹事3社によると最終需要は1000億円を超えた。

  国債の代替運用ニーズの受け皿としてはリスクウエートがゼロ%の地方債も候補に挙がるが、現行の地方債市場で最も短い年限は5年。マイナス金利回避を目的とした余資運用では期間リスクを回避するためより短い年限が選好され、投資家は安全性が高い財投機関の2ー3年物に資金を振り向ける傾向が強い。

  今回債は地方銀行を中心とする地方勢の購入が目立ち、同じ利率・価格の44回債以降で地方投資家の比率が35%と最高になった。資金運用難で地方勢を含む投資家は、少しでも高い利回りを求めて投資年限を長期化している。長くなった平均年限を従来の長さに調整する効果を狙って学生機構2年債を購入する動きもある。機構の公的な役割を好感する大口定例バイヤーの存在に地方勢が加わり、需要を押し上げた。

  ある地銀の債券運用担当者は学生機構債について、プラス利回りを維持してさえいれば事業自体が安定しており国債代替として安心して買えると話した。また利回りを求めて7年までだった投資年限を10年超まで伸ばしており、2年債購入で平均年限調整にもなると語った。主幹事によると今回債では前回参加していなかった損害保険や中央公的といった投資家も購入した。

  学生機構(財務部資金管理課)の森直美・課長補佐は今回債について「地銀の継続的な参加に加えて大口の諸法人の参加などの影響もあり、従来よりも地方投資家の参加が増えた」と語った。今回の主幹事は野村証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、みずほ証券。国庫補助金や利子補給金給付を通じて国との関わりが強い機構の格付けはAA(R&I)と高い。有利子奨学金の財源を起債で調達する機構は各四半期に一度債券を発行、次回も今回と同額・年限で2月の発行を予定している。

【購入投資家層】

中央投資家(約65%)地方投資家(約35%)
2年債生保、損保、都銀等、信託、投信投資顧問、
系統上部、中央公的
地銀、諸法人

【応募者利回り0%程度になって以降の中央・地方投資家の比率】

回号中央投資家地方投資家
第44回債95%5%
第45回債90%10%
第46回債85%15%
第47回債70%30%
第48回債80%20%
第49回債65%35%

【需要調査のレンジ推移】

2年債
10月12日ー17日ソフトヒアリング
10月18日利率0.001%、発行額100.002円、応募者利回り0%程度
10月19日午前同上
10月19日午後同上

  

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE