トレーダーや法令順守担当も波及警戒-HSBC元トレーダー有罪評決

  • 不正防止のための投資の必要性で上級幹部への教訓になるとの見方も
  • マーク・ジョンソン被告は詐欺罪で有罪の評決を受けた

英銀HSBCホールディングスの元為替トレーダー、マーク・ジョンソン被告は、外国為替市場において顧客の注文を先回りするフロントランニングに関係する詐欺罪で、ニューヨークの連邦地裁の陪審から有罪評決を受けた。これに伴い、グローバル市場で取引する為替トレーダーや彼らを監視するコンプライアンス(法令順守)担当者は、高度の警戒状態に入っている。

  外為市場のレート操作を巡る各国の調査の結果、主要銀行は合計100億ドル(約1兆1400億円)を上回る制裁金の支払いに応じた。ブルックリンのニューヨーク東部地区連邦地裁でのジョンソン被告への23日の有罪評決は、為替操作で個人が刑事責任を問われた最初の裁判で、米検察当局が勝利を収めたことを意味している。ジョンソン被告は最高で禁錮20年の刑を言い渡される可能性がある。

  ニューヨーク連銀で為替アナリストを務めたマイラ・ロドリゲス・バヤダレス氏によれば、トレーダーらはほぼ間違いなく、顧客に損害を与え、顧客を犠牲にして不当に利益を得たと見なされかねない行為を避ける圧力にさらされることになりそうだ。

  バヤダレス氏は「フロントランニングは犯罪だ。これはトレーダー向けの道徳教育や不正行為を見破るシステムへの投資を増やすべきだという上級幹部への教訓になるはずだ」と指摘する。

  今回の評決の反響は、世界中に波及する可能性が高い。2011年当時HSBCの外為グローバル責任者だったジョンソン被告は取引が行われた際ニューヨークにいたが、取引は主にロンドンで執行され、欧州の為替トレーディング責任者だったスチュアート・スコット被告がそれを統括していた。

  ミシガン州のウェイン州立大学のピーター・ヘニング教授(法学)は「グローバル市場を取り締まる能力が米当局にあることが示された」と分析した。

原題:HSBC Trader’s Conviction Will Echo in $5 Trillion FX Market (1)(抜粋)

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