トランプ減税への対応、テイラー氏の方がハト派的か-FRB議長候補

  • 投資家は総じて、テイラー氏の方が利上げに傾斜と受け止め
  • だがテイラー氏は米経済の3%成長の可能性に一段とオープン
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長候補のうち、スタンフォード大学のジョン・テイラー教授はタカ派と目されるが、トランプ大統領が掲げる減税案が実現した場合の景気押し上げ効果については、テイラー氏の方がイエレン議長よりもインフレへの警戒度が低いかもしれない。

  テイラー氏は、トランプ政権が規制緩和や税制改革を通じ、インフレを招かずに経済成長率を大幅に押し上げることができると考えるが、イエレン氏はもっと慎重だ。このため、規制・財政政策主導の景気加速に対して、民主党員であるイエレン氏よりも、共和党員のテイラー氏の方が利上げで対応する公算は小さいとも考えられる。

  パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の世界経済顧問ヨアヒム・フェルズ氏は顧客向けの22日のリポートで、「来年に大幅減税が実施されれば、テイラー氏が米金融当局を率いる方が、イエレン氏指揮下の場合よりもずっとハト派的である可能性は非常に大きい」と指摘した。

  投資家の間の一般的な受け止め方は、テイラー氏の方がイエレン氏よりも総じて利上げに傾斜した姿勢を取るだろうというものだ。ゴールドマン・サックス・グループが13日、顧客338人を対象に実施した調査では、金融市場のプライシングと比較してテイラー氏がタカ派的であるとの回答が半数に上った。イエレン氏には過半数が中立的との評価を下した。テイラー氏が考案した政策金利決定の「テイラー・ルール」は全般的に非常に高めの金利設定を導き出す。

  しかし、トランプ大統領の公約の減税に関して言えば、こうした想定は不正確かもしれない。共和党が支配するホワイトハウスと議会が、景気過熱につながることなく経済の巡航速度をこのところの年間2%近辺から3%に引き上げることができる可能性について、テイラー氏の方がイエレン氏よりもオープンな考えであると見受けられる。

  テイラー氏は、スタンフォード大学フーバー研究所が公表した7月18日の共同執筆論説で、「議会と政権が提案しているような政策変更が実施されれば、経済成長の展望が大いに改善されるだろう」との見方を示した。執筆者には、やはり次期議長候補の1人とされるウォーシュ元FRB理事も名を連ねているが、こうした成長加速に金融当局がどう反応すべきかは記していない。

  トランプ大統領が、米経済の3%成長は可能との考えに共感する人物を次期議長に指名すれば、「一段と長期の成長と失業率のさらなる低下を容認する方向の政策決定につながるだろう」と、ピーターソン国際経済研究所のデービッド・ストックトン氏は予想。「引き締め方向よりも緩和方向に政策が傾くのを目にするだろう」と語った。

  テイラー氏が次期議長に起用されて実際にこのように振る舞ったとしても、それには限度があるだろうと話すのはエバコアISIのバイスチェアマン、クリシュナ・グハ氏だ。減税を受けて失業率が一段と低下しインフレが加速すれば、テイラー・ルールに従って最終的にはその対応に動くというものだ。

原題:Taylor’s Walk on Supply Side May Leave Him More Dove Than Yellen(抜粋)

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