日銀が今年度物価見通し小幅下方修正、携帯電話の値下げ背景-関係者

  • 18年度、19年度の見通しはおおむね維持する-関係者
  • 「2019年度ごろ」の物価上昇率2%達成時期は据え置く-関係者
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

日本銀行は30、31の両日開く金融政策決定会合で、物価見通しを小幅下方修正する方向で検討している。「2019年度ごろ」としている物価上昇率の2%達成時期は据え置く。事情に詳しい複数の関係者への取材で明らかになった。

  携帯電話関連の値下げなどを背景に、今年度の消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)前年比の見通し(委員の中央値)を7月時点の1.1%上昇から小幅引き下げる見込み。2%の物価目標に向けて上昇率を高めていくとの見通しは変えず、18年度(7月時点で1.5%上昇)、19年度(同、消費増税の影響を除き1.8%上昇)はおおむね維持する。

  複数の関係者によると、緩やかな景気の拡大や雇用情勢のひっ迫など2%物価目標に向けたモメンタムは維持されており、政策対応は不要との見方が日銀内では大勢を占める。先行きも景気の拡大が続くとみられるため、下振れリスクの方が大きいとしている景気のリスク判断を見直すかどうか議論が行われる可能性もある。

  SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは24日付リポートで、今年度の物価見通しの途中経過は「順調とは言い難い」とし、下方修正へ踏み切る可能性が高いと指摘。今年度は0.8%上昇と予想する。18、19年度の見通しは据え置くとみている。

  日銀は7月の経済・物価情勢の展望で、物価目標の2%達成時期を18年度ごろから19年度ごろに先送りした。黒田東彦総裁が就任直後の13年4月に2年をめどに目標を達成すると宣言してから達成時期先送りは6回目。

  黒田総裁は20日の講演で、「物価面では、なお弱めの動きが続いている」と指摘。携帯電話関連の値下げといった一時的要因に加え、「幅広い企業において省力化投資の拡大や営業時間の短縮などにより、賃金コストの上昇を吸収しようとする動きがみられていることも最近の物価の弱さの背景になっている」と述べた。

  27日発表予定の9月のコアCPIはブルームバーグ調査で0.7%上昇と前月から伸びが横ばいにとどまる見通し。エネルギー価格の押し上げで9カ月連続のプラスとなるものの、エネルギーの影響を除くと0.2%上昇と低迷が続くとみられている。

緩和継続

  米欧の中央銀行が緩和縮小にかじを切る中、物価見通しの下方修正が続く日銀は異次元緩和の継続を強いられるとの見方もある。白井さゆり前審議委員は23日、ブルームバーグテレビジョンで、安倍晋三首相の衆院選勝利で日銀は金融緩和を縮小しづらくなるだろうと指摘。米国の税制改革への期待と相まって1ドル=120円前後まで円安が進む可能性があるとの見方を示した。

  金融緩和に積極的なリフレ派で知られる片岡剛士審議委員は9月の決定会合で現状の緩和策が「不十分」として反対。消費者物価が「2%に向けて上昇率を高めていく」との見通しも「可能性は現時点では低い」と反論した。同会合の主な意見では、「追加金融緩和によって総需要を一段と刺激することが必要」との意見も出ており、来週の決定会合で同氏が追加緩和を提案するか注目されている。

 

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