反面教師はECBと日銀-利上げ巡りジレンマに悩む英中銀総裁

  • 11月2日の英中銀MPC、0.25ポイント利上げ確率は78%
  • 「間違いがあれば、高くつく可能性」とテンレイロ委員
Photographer: Krisztian Bocsi/Bloomberg
Photographer: Krisztian Bocsi/Bloomberg

世界的に利上げが早過ぎた事例が散見される中央銀行の歴史を、11月に10年ぶりの利上げ実施を検討しているイングランド銀行の金融政策委員会(MPC)は肝に銘じることだろう。

  現時点での引き締めは間違いだとの懸念を表明しているUBSやウニクレディトなどの民間銀行もあれば、英国商業会議所といった経済団体はイングランド銀に待つよう求めている。カーニー総裁が利上げに踏み切り、歴史の負の側面が表面化すれば、イングランド銀もまた欧州中央銀行(ECB)と日本銀行と同じ過ちを繰り返すことになる。

  カーニー総裁は難しいジレンマに直面している。賃金の伸びは鈍化しており、小売売上高は低迷。英国の欧州連合(EU)離脱交渉が進まず、協定なしに離脱せざるを得なくなるとの懸念も浮上している。その一方で、インフレ率は中銀目標の2%を1ポイント上回り、失業率も約40年ぶりの低水準だ。

  MPC内でも利上げに伴うリスクの認識はある。テンレイロMPC委員は先週の議会証言で、「時期尚早の利上げは大きな収縮をもたらし得る」と指摘、「間違いがあれば、高くつく可能性がある」と述べた。

  11月2日のMPCで0.25ポイントの利上げを行う確率は78%とトレーダーらは見込んでいる。今月に入り確率は一時89%まで上昇した。

  中銀による過ちの例は少なくとも、米連邦準備制度や他の中銀が不況を見誤り悪化させた大恐慌にさかのぼるが、英中銀はそこまで振り返る必要はない。ECBはトリシェ総裁時代の2008年と11年にインフレ加速を抑えようと政策金利を引き上げたがすぐに方向を転換。日本ではデフレ脱却の兆しを背景に日銀が2000年と06年にゼロ金利政策を解除したが、再び非伝統的な緩和策に戻らざるを得なかった。

原題:BOE Rate Hike Risks Carney Repeating Policy Errors of ECB, Japan(抜粋)

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