世界最大のヘッジファンド運営会社ブリッジウォーター・アソシエーツを率いるレイ・ダリオ氏は、連邦公開市場委員会(FOMC)は金融政策を決定する際に経済の下層60%の困窮ぶりをより注視するべきだと呼び掛けた。「統計の平均値」が米国の実態を見えづらくしていると述べた。

  ダリオ氏は23日公表したリポートで、米国民の所得上位40%と下層60%との間に職種や定年後の貯蓄額、保健医療、死亡率、教育などで大きな格差があると指摘。FOMCが全国平均にのみ注目すれば景気を実態よりも明るく捉える恐れがあり、「深刻な間違い」を犯すことになると主張した。

  ダリオ氏は「景気が下降に向かった場合の経済的、社会的、政治的な影響は甚大になる公算が大きい。このため自分がFOMCの政策当局者であったなら、下層60%の経済を注視し、これを考慮に入れたいと思う」とリポートに記述。「同様に、財政当局者や投資家にとってもこの視点を持つことは極めて重要だろう」と持論を展開した。

  ダリオ氏によると、上位40%と下層60%は現在の相場上昇の恩恵を受けている層と受けていない層でもあり、この2グループの格差が成長減速の大きな理由となっている。今後5ー10年では政府に年金・保健医療の負担が重くのしかかる一方、技術革新が雇用を圧迫し続けるとみられるため、格差は拡大する一方だろうという。

  ダリオ氏は格差の具体例を以下のように挙げた。

  • 上位40%は下層60%に比べ、平均して10倍の富を持つ。1980年にこの差は6倍だった
  • 下層60%のうち収入から少しでも貯蓄できるのはわずか33%程度。上位40%は約70%が貯蓄している
  • 下層60%で早世する人の数は2000年以来20%増加した。上位40%に比べ早世する確率は2倍高い

原題:Dalio Says Fed Should View U.S. as Split Into Two Economies(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE