安倍晋三首相の選挙勝利によって、日本銀行は大規模な金融緩和政策を続行するお墨付きを得た。緩和縮小に向かう、あるいは既に縮小しつつある世界の主要中央銀行と逆行することになる。

  日銀が緩和を継続すれば、世界経済への流動性供給の源であり続けることになる。特に、金利上昇の影響を受けやすいアジアの新興市場に日本発の流動性が流れ込むだろうと、HSBCホールディングスのアジア経済調査共同責任者のフレデリック・ノイマン氏(香港在勤)は指摘した。

  「世界的に見ると、日銀の緩和政策継続は、米連邦準備制度のバランスシート正常化と来年に想定されるECBのテーパリングによる打撃を和らげるのに役立つだろう」と述べた。 「日銀は単独で世界の金利を低く抑え続けることはできないが、金融緩和を続けるというコミットメントは、起こり得る世界的利回り上昇を抑えるはずだ」と分析した。

  日本経済の成長は加速したが、インフレ率は日銀目標の2%に程遠い。先進国・地域の他の中銀との政策かい離が広がることで円安が進めば、輸入物価上昇を通じて日銀の目標達成を助けるかもしれない。23日の外国為替市場で、円は7月以来の安値となった。

  選挙での地滑り的大勝で安倍首相が唱える金融緩和と財政出動、成長戦略から成るアベノミクスへの支持は勢いづきそうだ。日銀の黒田東彦総裁の再任確率も高まると、ブルームバーグ・インテリジェンスの増島雄樹アナリストは見込む。これは、日銀の政策枠組みが変わらないことを意味する。

  元日銀審議委員の白井さゆり氏は、安倍首相の勝利で日銀は金融緩和を縮小しづらくなるだろうと指摘。米国の税制改革への期待と相まり、1ドル=120円前後まで円安が進む可能性があるとの見方を示した。

白井前日銀委員:金融政策は変更しにくい状況に-アベノミクス信任で

原題:World’s Most Daring Monetary Experiment Powers on With Abe’s Win(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE