ドイチェ・アセット・マネジメントの通貨トレーディング責任者はクリスマスの計画が台無しになる人がいるかもしれないと警告する。顧客に準備を急がせるために1日16時間働いていると話す弁護士もいる。

  理由は来年1月に施行される欧州連合(EU)の金融サービスの新規則、MiFID2だ。金融市場における利益相反をなくすことで透明性の向上を狙ったルールだが、10年で最大規模となる規則変更への対応を急ぐ各金融機関の従業員やコンサルタントらは夜遅くまで働きづめだ。

  英金融行動監視機構(FCA)は先月、MiFID2順守を確実にするための準備の期限を一部企業が守れなかったと指摘。 EU当局でさえ海外市場と矛盾する一部の法制やリスク規則について決定に至っておらず、セルサイドとバイサイド双方の混乱を悪化させている。特に米国の金融機関が変更に対して「準備不足のように見える」とUBSグループのアナリストらは10月2日のレポートで指摘した。

  法律事務所カッテン・ムーシン・ローゼンマンの規制・コンプライアンス(法令順守)担当パートナーであるニール・ロブソン弁護士は「今になって新規則について検証を始めた運用会社もある」と明かす。新規則について最初に説明したのは7年前だという。こうした出遅れ組について同弁護士は、ロンドン金融街の法律事務所に新たな顧客を受け入れる余力はないと警鐘を鳴らす。

  欧州の銀行の人員数は昨年末時点で280万人と、少なくとも1997年以降最も少なかった。BGCパートナーズのマーケットストラテジスト、マイケル・イングラム氏は「こういう環境では従業員のソーシャルライフは消えてなくなる」と述べた。

  フランクフルトに本社を置くドイチェ・アセット・マネジメントの通貨トレーディング責任者クリスティアン・シェッペ氏はインタビューで「MiFID2プロジェクトを開始したのが遅過ぎたのなら、今年いっぱいほかに何もできない。クリスマスを祝う時間すらない」として、どんなに時間がかかるかが「恐らく業界全体で過小評価されていた」と話した。

原題:Christmas Plans Face Ruin for Finance Industry as MiFID II Looms(抜粋)

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