日銀は総裁任期中に出口戦略を明らかにすべきだ-渡辺元財務官

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  • 黒田総裁の再任予想、日銀が市場の主役になるのは良くない
  • 与党勝利で円高懸念解消、今後は2円程度の円安水準で推移

渡辺元財務官

Photographer Junko Kimura-Matsumoto/Bloomberg

元財務官の渡辺博史国際通貨研究所理事長は、日本銀行は来年4月の黒田東彦総裁の任期満了までに、金融緩和の出口戦略の見通しを明らかにするべきだとの考えを示した。

  渡辺氏は23日のインタビューで、黒田総裁は就任以降、従来とは異なる「アブノーマル」な政策を実行してきたと指摘。黒田総裁は出口戦略の在り方や従来の政策の考え方を自分の言葉で説明する必要があると述べた。次期総裁人事では黒田総裁の再任を予想した。 

  渡辺氏は日銀がすでに事実上のテーパリング(国債買い入れの縮小)を開始しており、出口戦略の一環となっているとみている。市場での日銀の保有割合が高いことが問題だとし、「マーケットで債券が動くという世界をもう一度作り直しておいた方がいい」と述べ、株式市場でも「日銀がメインプレーヤーになっていることは良いことではない」と話した。

  日銀が昨年9月に導入した長短金利操作付き量的・質的緩和では、長期国債買い入れ額(保有残高の年間増加額)のめどを約80兆円としている。黒田総裁は5月、年換算の増加額が60兆円前後になっていると説明。8月のインタビューでは「今後数カ月、国債利回りを維持するために買わなければならない国債の量は減っていくだろう」と述べた。

  渡辺氏は、銀行の貸出金利はすでに低水準だと述べ、「金融政策は当初に比べて効果が限られてきている」と指摘。現在は投資機会がないために銀行の貸し出しが増えない状況にあると話し、成長戦略や構造改革を進めて投資を促すべきだと語った。

  為替については、衆院選で与党が勝利したことで円高懸念がなくなり、「米国の金利が上がることからの自然の帰結としてドル高円安になっている」と分析。今後は、過去半年間の水準から2円程度円安の1ドル=110円から116-117円前後で推移すると予測した。23日のドル円相場は朝方の113円65銭から下落し、一時114円10銭をつけた。

  渡辺氏は東京大学法学部を卒業後、大蔵省(現財務省)に入省。国際局長や財務官を歴任した。国際協力銀行(JBIC)総裁を経て、16年10月より現職。

渡辺元財務官:物価2%にこだわる必要ない-政府・日銀で役割議論を
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