10月第4週(23日-27日)の債券市場では長期金利が上昇すると予想されている。米税制改革の進展期待や衆院選挙後のアベノミクス継続観測を背景にリスク選好の動きが強まり、売り圧力が掛かりやすいとの見方が背景にある。

  長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは、17日に0.07%と4日以来の高水準を付けた。いったん0.06%に戻したが、再び0.07%まで上昇して20日の取引を終えた。米長期金利の上昇に連れたことに加え、日経平均株価が過去最長の14連騰に並んだことなどが売り圧力につながった。

  しんきん証券営業企画部の高井行夫金融市場アナリストは、「国内ではアベノミクス継続観測を背景に株がかなり高くなっており、この流れが続けば債券にはアゲンスト」と指摘。「米予算決議案が上院を通過し税制改革期待が出てきて全体的にリスクオンの動きが強くなっているので、国内債市場では下値を試すような動きが見込まれる」と言う。

  22日投開票の衆院選について、20日付の日本経済新聞は、終盤の情勢調査で衆院定数465議席のうち、自民、公明両党は300議席に迫る勢いを維持していると伝えた。予想通りとなれば、安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」が継続されることとなる。

米税制改革についてはこちらをご覧下さい。

需給要因は売り方向

  財務省は24日に流動性供給入札を実施する。対象は残存期間15.5年超39年未満の銘柄で、発行額は4000億円程度。26日には2年利付国債入札が予定されている。表面利率は0.1%に据え置かれる見込み。発行額は2兆2000億円程度となる。

  一方、日本銀行が前月末に公表した10月の国債買い入れの運営方針によると、25日には残存期間1年超5年以下と10年超、27日に5年超10年以下と10年超を対象にしたオペが予定されている。

  しんきん証の高井氏は、「入札とオペのスケジュールをみると、需給面があまり良くない週といえる」と述べた。

その他の内外の予定はこちらをご覧下さい。

市場関係者の見方

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◎マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長

  • 衆院選の結果が出たからといって大きく動くとは考え難く、引き続き玉虫色の相場展開になるだろう
  • 金利が上振れるとしたら、景気の堅調さがあらためて意識され、日銀が金利コントロール策を微調整するとの観測が浮上した場合などではないか
  • 長期金利の予想レンジは0.04%~0.085%

  
◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト

  • 国内株はアベノミクス継続を織り込んでおり、いったんは利食い売りに押される可能性も
  • 世界的な株高傾向で債券相場の上値は抑えられるだろう
  • 長期金利の予想レンジは0.05%~0.09%    

    
◎しんきん証券営業企画部の高井行夫金融市場アナリスト

  • 生保各社の運用計画で引き続き国内債に消極的姿勢が確認されれば、悪い材料になる可能性
  • 企業決算をきっかけに株価の自律的な調整が生じれば、債券の強材料にも
  • 長期金利の予想レンジは0.06%~0.09%

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