安倍晋三首相は、1980年代のバブル崩壊後の政権の中で最も長い間政権を維持し、経済再興に取り組んできた。ただ、これまでのところ、アベノミクスの評価-特に成長戦略について-は分かれる。もし衆院選が報道通りに自公政権の優勢に進むのであれば、自民党総裁の3期目を満了し、2021年までの戦後の最長政権が視野に入る。ただ、経済成長と政府債務の先行きがバランスのとれた持続可能なパスを描くのかどうかには疑問がある。日本は、経済再生の最後のチャンスを逃しつつあるのだろうか。

  • ブルームバーグ・エコノミクスでは、衆院選が報道通りに自公政権優勢のまま政権を維持するなら、目先の経済成長にはややプラスだが、条件付きの財政規律では、長期的な政府債務拡大傾向を止めるのは難しいと見込んでいる。
  • また、安倍首相の財政規律への姿勢と米連銀のバランスシート正常化の影響もあり、長期金利へ上昇圧力がかかる可能性がある。
  • その結果、長期金利を低位に維持するため、日本銀行は現状の長短金利操作をより長く続ける必要性が高まり、黒田総裁の再任の可能性も高まるだろう。
  • 現状の金融政策の枠組みが直ちに持続不可能となる可能性は低いが、政府の日銀の金融政策への依存がさらに高まる状況が長引く中で景気が減速期入りすると、絶対額だけでなく、名目国内総生産(GDP)比でも政府債務は拡大する。その場合、日銀の国債の大量保有による流動性の低下や債務の健全性への懸念により、政策の維持が困難となる可能性もある。
  • また、テールリスクではあるが、希望の党や立憲民主党の躍進の際は、消費税の延期や凍結に加え、教育の無償化の範囲が広まるなど、財政リスクが高まる可能性が高い。さらに構造改革が遠のき、金融政策では黒田路線の継承が難しくなるリスクに留意したい。

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JAPAN PREVIEW: Abe Debt Clock Won’t Stop, Even With Election Win

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