【日本株週間展望】高値もみ合い、記録的な連騰反動と業績期待綱引き

  • 衆院選の自民勝利は相場に織り込む、米FRB議長人事も焦点
  • 国内決算発表が本格化、ポジティブサプライズ優勢とゴールドマン

10月4週(23ー27日)の日本株は高値圏でもみ合いそうだ。衆院選を通過し、アベノミクス加速への思惑がいったんピークを迎えやすく、記録的連騰後の反動警戒や欧州金融政策、個別企業の決算動向を見極めようと積極的な買いは見送られる。半面、好調な世界経済、業績への安心感から下値不安は乏しい。

  22日投開票の衆院選はメディアの事前調査で与党優位が伝えられ、株式市場では自民単独での過半数議席の獲得がコンセンサスだ。予想通りなら政権安定やアベノミクスの加速、日本銀行総裁の留任による大規模金融緩和の継続期待がプラスに働く可能性がある一方、日経平均株価は14連騰と56年ぶりに過去最長の連続高記録に並び、与党勝利を織り込む事前の上昇で短期的な過熱感は強まっている。選挙結果が市場の期待に届かない場合、失望売りに押されるリスクもある。

株価ボード前の通行人

Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg

  海外では欧米金融政策の行方が焦点。ホワイトハウスのサンダース報道官によると、トランプ米大統領は数日以内に連邦準備制度理事会(FRB)議長候補を発表する。米大統領は次期議長選びでスタンフォード大学のジョン・テイラー教授か、パウエルFRB理事に傾いている。パウエル氏なら、引き続き世界的な適温相場が続くと受け止められる半面、同氏以外のタカ派指名なら海外金融市場の波乱要因となり、日本株にも影響が及びそうだ。26日に開かれる欧州中央銀行(ECB)の定例政策委員会では量的緩和縮小の発表が予想され、週前半は様子見ムードも広がりやすい。米国で25日に発表される9月の耐久財受注は鈍化する見込み。

  国内では7ー9月期決算の発表が本格化する。23日は安川電機、24日は日本電産やキヤノン、25日はファナックやアドバンテスト、27日は信越化学工業やコマツが予定。ゴールドマン・サックス証券による今後3カ月の業績予想の方向性を示す収益リビジョン先行指数は、8月末の2.8%から18日時点で4.7%へ上昇した。グローバルな景気拡大を背景に、決算発表ではポジティブサプライズが優勢になると同証では予想する。世界的株高の背景にある景気・企業業績への楽観的な見方は日本株を下支えしそうだ。第3週の日経平均は週間で1.4%高の2万1457円64銭と6週続伸した。

  • ≪市場関係者の見方≫

ニッセイアセットマネジメントの久保功株式ストラテジスト
  「かなり勢い良く上がってきたため、スピード調整が予想される。衆院選は、与党に相当厳しい事態があり得るとされた初期に比べ、楽観的な世論調査を受け株式市場は相当強い結果を織り込んでいる。普通の与党勝利なら上昇一服もある。ECBはあまり過激な内容にはならないとみるが、世界的に株価水準が切り上がり、タカ派に振れれば嫌気される可能性がありそうだ。ただ、国内景気は良くなり、国内外で企業の収益は出やすくなっている。7ー9月決算は全体として良く、決算発表が材料出尽くしにはならないことから調整があっても底堅い」

SMBC信託銀行の山口真弘シニアマーケットアナリスト
  「過熱感を冷ましながら、高値維持を予想する。騰落レシオやRSIなどの短期過熱感から売りが出る正常な相場となっても、上期決算の発表が本格化するタイミングであり、業績評価の買いが入りやすい。良好な世界経済を背景に売り上げが伸び、利益を引っ張っている。利益と比較した株価水準はまだ低く、若干の上方修正でも買い要因。FRB次期議長人事で有力視されているパウエル理事はイエレン議長よりはタカ派、利上げ期待の高まりから為替はドル高・円安方向となり、日本株を押し上げる。ECBは債券購入ペースがかなりギアダウンするイメージ、引き締めペースが速いとユーロ買いでドル安になり、日本株にとってあまり良くない」

三菱UFJ国際投信戦略運用部の石金淳チーフストラテジスト
  「連騰による高値更新で利益確定売りが出やすい状況な上、物色に手詰まり感があり、やや調整しそうだ。大型株の上昇が目立ち、相場全体が上がっていない。多くの銘柄が上昇相場から脱落し始めている。衆院選を通過すれば、FRB議長の人選と米金融政策の行方、日米経済などに投資家の目が向かう。発表される企業の好決算が相場の上昇につながる可能性がある半面、好決算はある程度織り込んでいるため、逆に反落することもあり得る」

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