日銀がオペで神戸鋼債を購入か、相場反発-オペレート上昇

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  • 神戸鋼債はオペ日に1.13円高、オペ平均レートは4年ぶり高水準
  • 「特定銘柄を意識した応札」と大和証の大橋氏
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

製品データの改ざん問題で価格が急落(利回りは急上昇)していた神戸製鋼所債が19日、反発した。市場関係者の間では、日本銀行が同日行った社債オペで、同社債を購入した可能性があるとの見方が浮上している。

  ブルームバーグのデータによると、日銀オペの対象(残存年限1-3年)の一つである20年8月償還の神戸鋼債の価格は同日、93.45円となり、前日比で1.13円上昇した。問題が発覚する前の6日には99.98円だったが、それ以降は急落し一時91.88円まで下げていた。

  19日行われた月1回の日銀による社債買いオペ(買い入れ額1001億円)の結果は、平均レートが0.155%となり、前回9月の0.035%を大幅に上回り、2013年12月以来の高水準となった。最低落札レートは0.016%。一方、同社債の対国債上乗せ金利(スプレッド)はオペ前日の18日時点で325ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と、問題発覚前の約8倍に拡大していた。

  日銀は社債買いオペの対象銘柄を開示しないが、対象はBBB格以上、年限1-3年の銘柄。神戸鋼はA(日本格付研究所)と、これに該当する。大和証券のチーフクレジットアナリスト、大橋俊安氏は20日付のリポートで、日銀オペについて「最低落札レートに大きな変化がない中で、平均レートが急上昇しており、特定銘柄を意識した応札が行われた」とみており、オペ対象銘柄のうち「クレジット市場で変化が起きたのは神戸製鋼所以外に思いつかない」と指摘した。

  同社は8日、顧客の製品仕様に適合させるため、強度などの検査証明書のデータを書き換えて出荷していた事実が判明したと発表。その後も新たに不適切な行為があったことが次々と判明し、13日には問題製品の納入先は計500社に拡大したと発表していた。

カタリスト

  みずほ証券の大橋英敏チーフクレジットストラテジストは、同社債の相場が反発した背景について、日銀オペに加えて「自動車会社の安全宣言が出ており、センチメントの改善がある」ことも考えられるとの見方を示した。19日にはトヨタなどが改ざんアルミ製品の安全性を確認したと発表していた。

  同氏は、市場では神戸鋼債について「日銀が利回りが低い(価格が高い)ところで買ってくれるという期待がある」としたものの、同社債を安値で買い日銀オペで高値で売る取引は「日銀の枠が埋まっていたらできない可能性がある」と指摘する。日銀は買い入れ直前、1銘柄当りの保有額が総発行残高の25%を超えている場合は、買い入れ対象から除外するとしている。神戸鋼債の発行残の25%は440億円。

  大和証の大橋俊安氏は、「神戸製鋼の現物社債の市場評価を安定させる上で、今般の日銀社債買入れが一つのカタリストになったことは間違いなさそうだ」とみている。

  同社は27日に既発債200億円の償還期限を控えており、相場がやや反発したものの、新発債による借り換えが困難な状態に変わりはない。

(第4、6、7、8段落を追加しました.)
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