中国を2050年までに主導的大国に-習氏、党大会開幕で行程表提示

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  • 2050年までに偉大な社会主義の現代国家を建設するとの計画発表
  • 海外企業への開放策堅持、国有企業改革や金融規制強化などにも言及

中国共産党の5年に一度の党大会が18日開幕し、習近平総書記(国家主席)は活動報告で、中国が「厳しい」挑戦に直面していると警告した。習氏はまた、中国を2050年までに世界を主導する大国に引き上げるためのロードマップ(行程表)を示した。

  3時間余りに及んだ演説で習氏は、12年に総書記の座に就いて以降、「長年懸案となっていた多くの困難な問題」を解決したと宣言。中国は海外企業への開放策を堅持し、システミックリスクを防ぎ、国有企業改革を深化させると述べたほか、金融セクターに対する規制強化や財政・金融政策の協調改善の方針も示した。

  習氏は「国内外の情勢は現在、深遠で複雑な変化のただ中にある」とし、「中国は依然として発展のための重要な戦略的時期にある。見通しは明るいが、挑戦は厳しいものだ」と述べた。

党大会開幕の演説をする習近平総書記

Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

  投資家は中国が向こう5年間、構造的な課題に直面する中で、習氏が困難な改革を推進するかどうかを注視している。習氏はインフラ支出を通じて中国の国際的な影響力を高めることも目指しており、北朝鮮情勢を巡ってはトランプ米大統領と対立する事態を回避したいと考えている。

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  コンファレンスボード中国センターのエンゲージメントディレクター、ジュード・ブランシェット氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「習近平氏の政治経済の青写真はかなり明確だ。信じ難いほど強く力を付けた国有セクターが経済成長下支えで大きな役割を演じるというものだ」と指摘。「われわれは真のアップグレード版である中国企業2.0といったものへと移行しつつある。そこには間違いなく市場があり、市場がその移行において重要な役割を果たすことになるが、それも全て鳥籠の中の経済にすぎない」と述べた。

習総書記の1期目の成果を説明する展示(北京 17日)

Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

  習氏の活動報告には政治、経済、国防、外交、香港・台湾問題など、さまざまな分野の政策が盛り込まれた。同氏は2020年までに「小康社会(適度にゆとりある社会)」を実現するとの目標をあらためて示した。

  習氏はその上で、その後の30年間で中国を「偉大な社会主義の現代国家」にするとの野心的な計画を掲げた。自身が「中国の夢」と呼ぶ理念の一環だ。習氏は共産党が2050年までに法治や革新的企業、清潔な環境、中間層の拡大、適切な公共交通機関を備え、都市部と農村部の格差が縮小した「美しい中国」実現の目標に近づくと発言。「中国国民はより大きな幸福と福祉を享受し、中華民族は世界の中でより高くしっかりと立つ」とのビジョンを語った。

  習氏はまた、中国の統治システムを独自の発展モデルと評したほか、現代版シルクロード構想である「一帯一路」や反腐敗運動を自賛した。共産党の優位性を肯定し、中国は外国の政治制度を模倣すべきではないと言明。中国は「中国の特色ある社会主義の新時代」に入ったとの認識をあらためて示した。

  このほか、世界的な課題に取り組む上で「冷戦思考」を拒否するよう訴え、中国が覇権を追求することは決してないと説明。中国人民解放軍を50年までに世界トップクラスの軍に完全に転換させるために党が努力するとし、戦闘能力を現代化する必要性を強調した。
  

  24日まで1週間開かれる党大会の会期中には、2000人余りの代表が活動報告と党規約改正案を議論し、承認するほか、党中央委員会の新メンバーを選出する。選ばれた中央委員はその後、最高指導部である党政治局常務委員の新たな顔ぶれを決めることになる。

  習氏は毛沢東、鄧小平と並び、中国で最も力のある指導者3人の1人になろうとしている。政治局常務委メンバーの過半数を、自身の側近で固めることを目指す。
  
原題:Xi Lays Out Road Map to Make China Leading Global Power by 2050(抜粋)

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