ボラティリティーを買う絶好の機会-心配事が起きないことが心配なら

  • 「ボラティリティーを買う数十年に1度の好機だ」とハワース氏
  • セイラー教授やブラックロックCEOも静かさは続かない公算と警告
Photographer: DANIEL LEAL-OLIVAS/AFP/Getty Images

世界の金融市場で心配すべきことが起きず、心配になってはいないだろうか。そうした投資家から資金を集めようとするヘッジファンドマネジャーが増えている。

  ブレバン・ハワード・アセット・マネジメントと36サウス・キャピタル・アドバイザーズ、ワン・リバー・アセット・マネジメントの他、さらに少なくとも3社が、市場の混乱拡大時に投資家を守るよう設計された新たなファンドを始める。

  いわゆる「ロングボラティリティーストラテジー」は今年最も成績の悪い戦略の部類に入るが、ノーベル経済学賞の受賞者であるリチャード・セイラー教授やブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)らは、静かな市場は異常であり長く続く可能性は低いと警告している。

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リチャード・ハワース氏

出所:36 South Capital Advisors LLP

  「ボラティリティーを買うのに数十年に1度の好機だ」と言うのは36サウスを2001年に共同で設立したリチャード・ハワース氏だ。「ジェリー」との通称を持つ同氏は金融危機時に「ブラック・スワン・ファンド」の投資家資金を3倍余りに増やしている。

  ブルームバーグ・ニュースが入手した文書によれば、36サウスは今月2日、新たな「レセディ・ファンド」を投入した。
  
  ハワース氏が正しければ、世界中の楽観的な投資家が突然、驚きに見舞われることもあり得る。株式と債券、通貨の予想変動率を示す指数が数年ぶりの低水準となる中で、リスクが高めの主要な資産クラスはほぼ全面的にバリュエーションが上昇。米経済政策の不確実性が高まり、核開発を続ける北朝鮮を巡り軍事衝突の可能性すら浮上しているにもかかわらずだ。

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  ロングボラティリティ-戦略を採るファンドマネジャーにとって大きな問題は、運用するファンドがここ数年、マイナスのリターンになっている中で、投資家を呼び込むことができるかどうかだ。ロングボラティリティーのファンドは保険商品のような性質を持ち、何もなければ一般的に資金が出てゆき、ボラティリティーが上昇するときのみその効果が発揮される。

  ユーリカヘッジによると、こうしたファンドは08年の危機時に全体でプラス46%のリターンとなったが、今年はマイナス9.1%、過去5年ではマイナス17%という成績だ。

  だが、トーラス・ウェルス・アドバイザーズのシンガポール在勤ポートフォリオストラテジスト、マイケル・プライス氏は市場の混乱拡大に備えるよう多くの顧客に助言している。「世界で最も不適切な価格評価となっているのはボラティリティーだ。われわれの顧客のかなり多くが今、ボラティリティーストラテジーを拡大するかどうかについて検討している」と説明した。

原題:The Money-Losing Volatility Trade Hedge Funds Can’t Resist (1)(抜粋)

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