神戸製鋼:不正行為の期間も拡大か-納入先企業に影響広がる

更新日時
  • 米国顧客に販売した製品の仕様不適合に関する書類提出を求められる
  • データ改ざんの製品供給を受けた企業では品質調査など対応進める

Steel pipes sit on a truck as it leaves a Kobe Steel Ltd. plant in Kobe, Hyogo, Japan.

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

神戸製鋼所によるアルミニウムや銅製品の一部での検査データの改ざんなどの不正行為が、10年以上前から行われていた可能性があることが分かった。従来は10年前からと説明しており、不正がより長期にわたって行われていたとすれば、問題となる対象製品の出荷先への影響が拡大する恐れもある。

  また、同社は17日午後、米司法当局から米国の顧客に販売した製品の仕様不適合に関する書類の提出を求める書面を受領したと発表した。米子会社が現地時間の16日に受け取った。神戸鋼は当局の調査に真摯(しんし)に協力するとしている。同社によると、本件による業績への影響は現時点では不明。

  今回のデータ改ざん問題が発覚した当初、神戸鋼はアルミ・銅事業での不正は約10年前から行われていたと説明していた。同社幹部は16日、10年以上前から不正が行われていた「可能性はある」との見解を示した。現在、10年以上前にさかのぼって保有する製品データの調査や当時の担当者などからの聞き取りを進めている。

  品質不正の対象製品はアルミ・銅に加えて、自動車のギアなどに使用される鉄粉や液晶材料となるターゲット材だったが、さらに新たに銅管やアルミニウム合金線、線材などの鉄鋼製品においても不正が見つかった。出荷先は当初の約200社から500社へと拡大したことが明らかになっている。

  新たに品質不正の製品が見つかったことを受けて、自動車部品大手のデンソーはこれまでの調査対象を拡大して品質への影響の確認に乗り出した。アイシン精機は、神戸鋼製品について自社には直接的な影響がないことは判明しているとした上で、新たに発覚した素材についても仕入れ先などを含めて調査を継続しているとした。SUBARU(スバル)は、データが改ざんされた鉄粉などが部品に使用されていたかを確認中としている。

  また、東京メトロによると、地下鉄の千代田線120両と東西線30両において、データが改ざんされたアルミが使われていた可能性がある。広報担当の吉田基輝氏によれば、車両を製造した日立製作所から16日に説明を受けた。車両の安全性に問題はないとして、継続して使用する方針。

  西武鉄道の広報担当、川口寛氏によると、同社もデータが改ざんされたアルミを車体に使用した可能性があり、メーカーの日立から対象車両は36両と説明があった。車体の骨組み部分に使用された可能性があり詳細を調査中だが、安全性に問題はないとの説明を受けていると同氏は述べた。

  阪急電鉄は、最新型車両の一部に神戸鋼のデータが改ざんされたアルミが使われていた可能性があると日立から説明を受けたことを、広報担当の吉井伸一氏が電話取材で明らかにした。最新型は152車両保有しており、現在何台が対象かを日立が調査している。安全性には問題ないと認識していると同氏は述べた。

  JR西日本の来島達夫社長は12日に都内で会見し、新幹線車両の台車の一部にデータが改ざんされたアルミが使われている部品があると車両メーカーから説明を受けていることを認めた。その上で「瑕疵(かし)のある納入であり、契約に基づく費用負担は当然」としてメーカーに部品差し替えに伴う費用などを請求する考えを示している。 

株価は上昇

  17日付の日経新聞は、アルミ・銅製品の不正は数十年前から続いてきたことが分かったと報じた。顧客の了解を得ずに、工場の独自判断で不正な製品を出荷していたケースもあったという。また、不正のやり方が事実上「裏マニュアル」化されていたもようで、担当者が代わるたびに不正行為が引き継がれていたとも報じた。

  同報道に対して神戸鋼の広報担当者は「現在調査中であり、原因究明に努めている」とコメントした。     

  17日の神戸鋼株終値は前日比26円(3.1%)高の853円。川崎博也会長兼社長が16日午後に投資家向け説明会を実施した。野村証券の松本裕司アナリストはリポートで、同説明会で当面は資金面での不安がないことを確認できたと指摘。その上で、データ改ざん製品の売上高が年間120億円前後とアルミ・銅事業部門の4%、売上高全体の1%以下にとどまることを確認できた点で、現状の株価に対してはややポジティブな内容との見方を示していた。

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