ドル・円は111円台後半、株高で一時上昇も欧州政治懸念が圧迫

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  • ユーロは下落、対円で9月15日以来の安値に並ぶ
  • 次期FRB議長人事決まるまでドルの方向感出にくい-あおぞら銀
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

東京外国為替市場ではドル・円相場がほぼ横ばいの111円台後半。日米株高を受け、リスク選好に伴う円売りが先行したが、欧州政治への懸念などが重しとなり、ドル・円は1ドル=112円台を維持できなかった。

  ドル・円は16日午後4時17分現在、前週末比0.1%安の111円74銭。仲値にかけて一時112円08銭まで上昇したが、その後伸び悩み、午後にはユーロ・円の下落につられる形で111円71銭まで値を下げた。先週末は9月の米消費者物価指数(CPI)が予想を下回り、米金利低下を背景に一時111円69銭と9月26日の以来の水準までドル安・円高が進んでいた。

  あおぞら銀行市場商品部為替マーケットメイク課長の渡辺秀生氏は、米指標が出ても年内の米利上げの織り込みが大きく変わるわけではなく、次期米連邦準備制度理事会(FRB)議長人事が明らかにならない限り、来年の米利上げ見通しを含めてドルの方向感は出にくいと指摘。「日本の選挙もあるし、北朝鮮リスクもくすぶっているので、ドル・円はどちらの方向にもベットするのが難しい時間帯がしばらく続くと思っている」と話した。

  先週末の米株市場では主要株価指数が取引中の最高値を更新。週明けの東京株式市場でも日経平均株価、TOPIXが今年の高値を更新した。

  イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は15日、堅調な経済成長と力強い労働市場、さらに健全な世界経済が物価を押し上げるとして、米金融政策当局は今後も漸進的な利上げを見込んでいると述べた。米10年債利回りは先週末に2.27%と前日から4bpベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下。週明けのアジア時間の取引では2.29%前後となっている。

  ソニーフィナンシャルホールディングスの石川久美子為替アナリストは、「米金利上昇ペースが遅くなればなるほど、株は景気拡大局面が長続きしそうだと好感して上昇するので円安要因になる」と説明。もっとも、日本の衆院選も控えているし、北朝鮮リスクもなかなか消えないため、株価ほど「ドル・円はリスクオンという感じにはなりにくい」と述べた。

  ユーロ・ドルは1ユーロ=1.18ドル台前半から1.1786ドルと4営業日ぶりの水準までユーロ売り・ドル買いが進行。ユーロ・円は1ユーロ=132円台前半まで円売りが先行したが、午後には131円71銭まで下落し、9月15日以来の安値に付けた。
  
  ドイツのメルケル首相は今週、連立協議に臨むが、15日のニーダーザクセン州議会選挙で首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)が1959年以来最悪の敗北を喫したことから、厳しい交渉が予想されている。オーストリアでは15日投票が行われた国民議会(下院)選挙で、極右・自由党が政権入りする可能性が出てきた。
  
  一方、スペイン・カタルーニャ自治州のプチデモン首相は16日、ラホイ首相への書簡で対話を求めた。同首相は16日午前10時(日本時間同日午後5時)までに独立を宣言したかどうかの明確な答えを中央政府に示さなければならない。独立宣言を行ったと回答するか、期限を無視した場合、ラホイ首相は向こう数週間の間に州政府の権力を掌握するプロセスを開始する可能性がある。

  渡辺氏は、来週の欧州中央銀行(ECB)会合に向けて「ユーロは調整的な動きが入っている」とし、欧州の政治を巡る不透明感もユーロを重くしていると話した。

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