衆院選与党勝利なら黒田日銀総裁再任の流れは当然-竹中元経財相

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  • 「代わる理由は何もない」、代わりも「そう簡単に思いつかない」
  • 政府と日銀が連結の財務諸表なら「財政赤字はほとんどゼロに」

竹中平蔵元経済財政担当相(東洋大学教授)は、来年4月に任期満了となる日本銀行の黒田東彦総裁の後任人事について、22日投開票の衆院選で与党が勝利すれば、異次元緩和を原動力とするアベノミクスは信任されたことになり、黒田総裁再任の流れが「当然できるのではないか」との見方を示した。

  16日、ブルームバーグのインタビューで語った。竹中氏は黒田総裁について「非常によくやっている」と評価した上で、次の任期も「当然やり続けてもらうべきだ」と強調。黒田総裁は続投すべきだという「信頼感が日銀と政府の間には当然ある」とし、現時点で「黒田総裁に代わっていただく理由は何もない」と話した。

竹中平蔵氏

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  日銀総裁の条件として、マクロ経済に対する理解や市場との対話、組織のリーダーとしての資質に加え、頻繁に国会に呼び出されるため、「何より国会答弁ができないといけない」と指摘。黒田総裁の代わりに「この人はできるという人物はそう簡単に思いつかない」と述べた。

  16日付の毎日新聞朝刊は13-15日に行った世論調査で、自民党が公示前の議席(284)を上回り、単独で300議席を超える可能性があると報じた。安倍晋三首相は9月26日、テレビ東京の番組で、今までの黒田総裁の仕事を「高く評価」していると発言。同月のブルームバーグ調査でも、黒田総裁の再任を予想するエコノミストが最も多かった。

出口は近くない

  竹中氏は現行の金融政策は「基本的には成功」しており、「維持することが原則だ」と述べた。一方で、緩和の出口は「そんなに近くない」と言明。日銀の金融政策を批判する人はたくさんいるが、どのような政策も副作用はあり、「代替案は何もない」ことから「今の政策を続けていくのが自然の議論だ」と述べた。

  金融緩和を維持している間に「実物経済を強くするための構造政策や規制緩和、必要によって財政措置を取ることが重要な局面になっている」との見方も示した。

  財政政策については、国の負債は千数百兆円と言われているが、「政府は約800兆円の資産があるので、ネットの負債は500兆円程度とものすごく大きいわけではない」と指摘。「日銀が500兆円程度の国債を保有しているので、政府と日銀が連結の財務諸表を作ったらほとんどゼロになる」とも述べ、「焦って増税はしない方がいい」と消費増税は先送りすべきだとの考えを示した。

  安倍首相は選挙公約で予定通り2019年10月の消費税率引き上げを打ち出した。竹中氏は安倍首相は「本音では消費税を上げたくない」とみる。既に消費増税を2回延期しており、将来も増税は困難との批判の声もあることから今回は増税するが、「デフレ政策にならないよう、財政赤字の返済に充てるのではなく、お金を使う考え方を示している」と分析。次善の策としては「あり得る政策だ」としている。

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