FRB議長ら米欧の中銀トップ、早期のインフレ加速に期待感

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  • イエレン、ドラギ、カーニーの3氏:金融引き締め前進を示唆
  • 日銀は低インフレを踏まえ刺激策を継続へ-黒田総裁

FRBのイエレン議長

Photographer: Olivier Douliery/Bloomberg
Photographer: Olivier Douliery/Bloomberg

世界の主要中央銀行トップは、低インフレ率がそれほど長引くことはないとの見方を示し、金融政策を徐々に引き締める計画を前進させる姿勢を示唆した。

  米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は14日、消費者物価が驚くほど弱い期間を経て間もなく加速するというのが「私の最も有力な見方だ」と発言。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁とイングランド銀行(英中銀)のカーニー総裁も同様の見通しを示した。

G30で話すイエレンFRB議長

Photographer: Olivier Douliery/Bloomberg

  国際通貨基金(IMF)・世界銀行の年次総会では、各国金融当局者が過去10年で最も健全かつ歩調を合わせた世界経済成長を評価する一方で、インフレの弱さと熱狂的水準にある資産価格に引き続き慎重な見方が出された。

  パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の世界経済顧問ヨアヒム・フェルズ氏は、「金融危機後に開催されたIMF・世銀年次総会の大部分で見られた不安は消えたようだ」と述べた上で、「不気味な安心感」に警戒感も示した。

  それでも金融当局者らは、需要回復によって当局者らが比較的早期に実現すると見込むインフレの加速につながると期待し、最終的に正常なビジネスが再開すると考えている。イエレン議長は米国のインフレ統計に関して「こうした低調な統計は長続きしない」と想定し、「景気の継続した強さが漸進的な利上げを裏付けるだろう」と語った。

  米国に続いてECBと英中銀も景気刺激策の解除に近く動き出す可能性があるとみられている。ECBのドラギ総裁は14日、インフレ率が9月の1.5%から早期に上向くと「確信している」と表明した。15日にはコンスタンシオECB副総裁も同様の見解を示した。カーニー英中銀総裁はCNBCに対し、「向こう数か月」のうちに政策金利を過去最低から引き上げる必要性に言及した。

  一方、日銀の黒田東彦総裁は「2%のインフレ目標の達成はまだ遠い。日銀は一貫して積極的な金融緩和を継続する」と述べた。

  日本は20年にわたり低インフレに悩まされてきたが、他の主要国が景気回復や失業率の低下でも物価圧力に弾みがつかない理由を考えざるを得なくなったのは比較的最近だ。その説明となり得るのは雇用と物価の伝統的関係の崩れや、貿易拡大と技術の進歩、長期的なインフレ期待の下振れ、オンラインショッピングの台頭などだろう。

  イエレン議長は「今年の低インフレはより継続的なものを反映している可能性があると認識している」と述べた。

  一方で資産価格は急上昇している。MSCI世界指数は先週、最高値を更新し、年初来上昇率は16%に達した。

  イエレン議長は米国の全般的な金融安定リスクは依然として穏やかだと述べ、ドラギ、黒田両総裁も市場が泡立つ兆候はほとんどないとの認識を示した。

原題:Yellen Leads World in Betting Inflation Will Soon Accelerate(抜粋)

(イエレン議長発言などを追加して更新します.)
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