会社寝泊まりのグーグル出身女性、起業したアプリ会社で14億円調達

  • 王小雨氏が創業したキャストボックスを利用者や投資会社が評価
  • 新検索機能ではポッドキャストの全内容を文字化して追跡可能に

王小雨氏は2015年後半、収入の良かった米グーグルでの仕事を辞め、自宅を売ってポッドキャスト・アプリケーションの会社を創業した。それから2年、王氏はいまだに北京にあるオフィスの共有ベッドで寝泊まりし、1日も休みを取っていない。

  その王氏の会社キャストボックス・ドットFMが1280万ドル(約14億3000万円)の資金調達ラウンドを完了した。資金を支援するのは、中国の大手企業にのし上がった小米や滴滴出行を創業間もない時期に支えた投資会社のIDGキャピタルやGSRベンチャーズなどだ。キャストボックスは月間ユーザー数150万人余りで、グーグルプレイストアで高評価を受けている。

王小雨氏

出典:CastBox

  「仕事以外に何も趣味はない」。王氏(30)は同社のオフィスで語った。「インパクトを与える仕事を本気でしたい。どこに住もうが、幾ら稼ごうが、それ以外のことはそう重要ではない」。

  中国のユーザー向けに設計された多くのアプリと異なり、キャストボックスのインターフェースには雑音がなく、アップルのアップストアのようだ。ランディングページには各ユーザーの好みに合うような推奨コンテンツが表示されるが、特徴的なのは新たに導入した検索機能にある。

  リスナーは従来、エピソードの見出しに表れるキーワードを入力することを求められてきた。しかしキャストボックスの最新機能は、人気のあるポッドキャストについてリリースから数時間以内にその内容を文字に起こすため、利用者は話された言葉全てを追うことができる。

  キャストボックスはこの最新機能を発表する前でも、既に計1600万ドルを集めていた。また、他の大半の中国企業と違って海外で成功を収めている。同社の最大市場は欧米だ。同社アプリのダウンロード数は700万回に上る。

  王氏がこのビジネスへの参入を決めたのは東京に駐在し、日本語と英語、中国語のポッドキャストを聴いている時だった。グーグル社内で同氏は、ポッドキャストのコンテンツ検索が利用者の間で急増するのを眺めるとともに、圧倒的な市場シェアを持つアプリが存在しないことを知った。

  中国に帰国後、王氏は起業の準備に取り掛かった。王氏を支えたベンチャーキャピタル、啓明創投の呉静氏によると、ある日の夜遅く、呉氏がキャストボックス宛てにメールを送ると即座に王氏から返答があった。その翌朝早い時間に送ったメールにも直ちに返事が来たという。

  最新の資金調達ラウンドで支援したIDGキャピタルのパートナー、ジェーソン・チェン氏は「彼女には新たなことを試すための戦略、新たなことを探る優れた戦略、才能を引き付ける情熱がある」と評価している。

  ポッドキャスト事業は誕生して10年余り経過するが、初期のころには黒字化できた企業はほとんどなかった。調査会社エジソン・リサーチによると、ポッドキャストを聴いたことがある12歳超の米国民は13年時点で27%にすぎなかったが、今年は過去最高の40%に上っている。

原題:Homeless Ex-Googler Raises $13 Million Betting House on Podcasts(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE