英銀HSBCホールディングスは今年初め、1世紀以上の伝統を破り新会長に部外者のマーク・タッカー氏を起用する人事を決めたが、新しい最高経営責任者(CEO)の選定では究極の生え抜きを登用した。

  HSBCは12日、リテールバンキングとウェルスマネジメント両部門の責任者であるジョン・フリント氏がスチュアート・ガリバーCEOの後任として2018年2月21日に就任すると発表した。グローバル展開する銀行が厳しい市場環境の中で外部の新たな人材に社運を託すケースが増える時代に、HSBCで管理職研修生からスタートし同行での28年の勤務が職歴の全てというフリント氏のCEO起用はかなり異例だ。

ジョン・フリント氏
ジョン・フリント氏
Source: HSBC Holdings Plc

  タッカー会長(59)はインタビューで、「ジョンは当行の主要市場全てで働いており、グループの主要な役職の多くを務めている」と述べ、「彼は経験上、HSBCの能力を誰よりもよく理解している」とコメントした。

  フリント氏(49)はHSBC内部ではよく知られた人物かもしれないが、社外での知名度は低い。リンクトインのページはメンテナンスしておらず、ツイートもしない。同氏が率いる部門は過去4年にわたり利益が低迷し、フィンテックで出遅れているとされた。それでもフリント氏は、トレーディングフロアをはじめ行内全ての分野で自らの権限の行使に余念が無く、自らのプランに合わない人材の再配置もしくは解雇をちゅうちょしないと、同氏の経営スタイルを知る人物は話す。

  同氏はイングランド北部ヨークシャーに生まれ、その後父親が大学講師を務めたサウジアラビアの小学校に通い、英国の軍港都市ポーツマスにある大学に進んだ。15歳の時からバンカーを志し、高校の校長の助言でHSBCのプログラムに応募。1989年に21歳でHSBC入りし、管理職研修生時代に152年の歴史を持つ同行のやり方を学んだ。香港やバンコク、シンガポールでさまざまな職を務めた後、インドネシアでグローバル市場部門の責任者に就いた。2004年までには欧州中東アフリカ地域のバランスシート管理の責任者にとなり、2年後にはグループの財務責任者に就任。その後グローバル資産運用部門を管理し、13年から現職を務めている。

原題:HSBC’s New CEO: Mr. Inside With Yorkshire Roots, Global Know-How(抜粋)

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