AIで個人融資、残高1兆円見込む-みずほ・ソフトバンク合弁

更新日時
  • 20-30歳代の高所得者が関心、新たなニーズ喚起-Jスコア社長
  • Jスコアをプラットフォームに、ビッグデータ企業と提携模索
Photographer: Ben Torres

みずほ銀行とソフトバンクの合弁会社、Jスコアの個人向け融資が順調な滑り出しを見せている。ビッグデータと人工知能(AI)を活用した融資条件決定システムが高収入の若者の関心を捉えており、大森隆一郎社長は10年内の融資残高見通しを当初の2倍の1兆円規模に引き上げた。

  Jスコアは、利用者が収入や携帯電話利用情報など約150の質問項目を可能な範囲で入力するとAIが信用力を点数化(スコアリング)し、金利を設定する融資システム。先月の運用開始会見で広報担当者は10年後の融資残高5000億円を目指すとしていた。大森社長は11日のインタビューで、運用開始から毎日約4000アクセスあり、7割を占める20-30歳代利用者の平均年収が800万円前後だと明らかにした。その上で運用初期の手応えとして、消費者金融に抵抗を感じる「本来は借り入れをしない層のニーズを喚起している」との見方を示した。

  銀行を含めた金融機関でフィンテックの開発競争が進むする中で、大森社長はJスコアについて、利用者の信用力を点数化してガラス張りにしたことが高所得者層に受け入れられていると分析。AIには「将来年収を推計するロジックが入っている」ことから、留学や起業など未来への自己投資に利用しやすいことも背景にあると述べた。高所得者層の利用拡大で、当初3、4年後としていた黒字化の時期が早まるとみている。

  日本貸金業協会の昨年の調査によると、借り入れ経験のある個人の年収は500万円以下が約7割を占める。年代別では40代が27%と最も多く、次いで30代と50代が約21%となっている。

多角経営へ

  大森社長は、蓄積したデータを活用し、Jスコアを多方面に活用できるプラットフォームとして展開することを想定している。同社長によると、利用者情報から算出したスコアは、同意を得れば保険や証券の契約で「信用情報」として応用できるほか、旅行や買い物で割安になるメリットを創出することも可能という。

  当面は、スコアの精度を上げるために「ビッグデータを持つ企業」との提携を模索する。流通や物販など他分野と組むことで多面的なデータ収集をして、分析能力を高度化する。

  調査会社セレントの柳川栄一郎シニアアナリストは、「ベンチャーと同じ立場での商品提供では、とめどないフィンテック競争の波に飲み込まれるだけ」と指摘した上で、銀行がフィンテック競争で勝ち抜くためには、今後グループの組織力を活かしたプラットフォーム展開を急ぎ、ブランドを確立することだ」と述べた。

  Jスコアは、みずほ銀行がソフトバンクと折半出資で設立し、9月25日に運用を開始した。貸し付け利率は0.9%ー12%で、融資限度額は10万ー1000万円。店舗を持たない低コスト運営による低金利でのサービスを目指す。

(更新前の記事は、最終段落のサービス開示日を訂正済みです)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE