欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ポンド上昇、EU離脱巡る報道で乱高下-ドル小幅高

  12日のニューヨーク外国為替市場ではドルが小幅高。市場の注目は、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る動向で乱高下したポンドに集まった。

  ポンドは離脱交渉に関するドイツ紙ハンデルスブラットの報道を受けて大きく上昇し、ドルに対し0.5%上げて日中高値をつけた。報道は、EU側交渉責任者のミシェル・バルニエ氏が英国に2年のEU市場アクセス維持と移行期間を設けることを提案するというもの。これによりポンドは、交渉が暗礁に乗り上げたとする前日のバルニエ氏の発言を受けたそれまでの大幅な下げを全て埋めた。

  ニューヨーク時間午後5時現在、ポンドはドルに対し前日比0.3%上げて1ポンド=1.3262ドル。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.1%上昇。ドルは対ユーロで0.2%高の1ユーロ=1.1830ドル。

  英紙フィナンシャル・タイムズは、EUの指導部がバルニエ氏に、離脱の移行期に関する取り決めと離脱後の英国との関係に関する「内部の予備協議」を開始するよう勧めたと報じた。その前には、クロス取引を巻き戻し円やユーロなどの通貨を買う動きが広がる中、ポンドはドルに対し一時は0.8%安となっていた。

  ドル指数はこの日、9月の米生産者物価指数(PPI)発表後に日中高値をつけた。食品とエネルギーを除くPPIコア指数が前月比で0.4%上昇、前年同月比では2.2%上昇し、いずれも市場予想を上回る伸びとなった。9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で低インフレに対する懸念を一部参加者が示したことが議事録で判明したため、13日に発表される9月の消費者物価指数(CPI)と小売売上高が市場関係者の注目を集める。

欧州時間の取引

  欧州時間にはポンドがドルに対し4営業日ぶりに下落し、一時は0.8%安の1.3122ドルをつけた。EUのバルニエ氏は記者会見で、離脱時に英国がEUに支払う額について「暗礁に乗り上げた」と語った。ポンドはユーロに対しても下落した。

  クレディ・アグリコルのCIB部門でG10通貨調査責任者を務めるバレンティン・マリノフ氏(ロンドン在勤)は、「バルニエ氏は歯に衣を着せずに話している」と述べ、ポンドは「この発言を受けて下げた」と指摘。「ポンド見通しは引き続き政治と経済の関数になっている」との見方を示した。
原題:Pound Rallies on Brexit Development; Dollar Pares Gains(抜粋)
Pound Slides as EU’s Barnier Says Brexit Talks at ‘Deadlock’(抜粋)

◎米国株・国債・商品:S&P500種は小反落、原油も下げる

  12日の米株式相場は小反落。米税制改革の行方と連邦公開市場委員会(FOMC)の次の政策を見極めたいとの思惑が強かった。

  • 米国株は小反落、税制改革と金融政策の行方を注視
  • 米国債は上昇、ガソリン高でPPIは大幅上昇
  • NY原油は反落、IEAが供給だぶつき解消の見通しに懐疑的な見方示す
  • NY金は5営業日続伸、FOMC議事録でハト派に傾斜と判断
  •   S&P500種株価指数は取引時間中の最高値を更新したものの、下げに転じた。原油安を背景にエネルギー株が下落し、AT&Tが7-9月(第3四半期)のテレビサービス契約者の大幅減少を明らかにしたため、通信サービス株が大きく下げたことが影響した。決算を発表したJPモルガン・チェースとシティグループも安い。米国債利回りは低下した。米労働省は9月の米生産者物価指数(PPI)がガソリン価格の急騰を反映して5カ月ぶりの大幅上昇となったと発表した。

      S&P500種株価指数は前日比0.2%安の2550.93で終了。ダウ工業株30種平均は31.88ドル(0.1%)下げて22841.01ドルで終えた。ニューヨーク時間午後5時現在、米10年債利回りは3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.32%。

      ニューヨーク金相場は5月以降で最長の5営業日続伸。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で低インフレへの懸念が強まりつつまる状況が示唆されたことが背景。ニューヨーク時間午後2時26分現在、金スポット相場は前日比0.2%上げて1オンス=1294.49ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物は0.6%高の1296.50ドルで終了。

      ニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が反落。米エネルギー情報局(EIA)の統計では予想以上の米原油在庫の減少が示されたものの、国際エネルギー機関(IEA)は世界的な供給だぶつきの解消見通しに疑問を投げ掛けた。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物11月限は前日比70セント(1.4%)安の1バレル=50.60ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント12月限は69セント下げて56.25ドル。

      トランプ政権の税制改革の行方は依然として不透明だ。大統領は既存の枠組みの一部について不満を表明したと関係者が明らかにした。議会共和党の一部からも懸念が表明されているが、ムニューシン財務長官は年内の法案通過に対して自信をあらためて示した。

      エバーコアISIのポートフォリオ戦略責任者、デニス・ディバッシャー氏は「税制改革のプロセスにかなり注目が集まっている。13日発表の消費者物価指数(CPI)後の全てのインフレ指標も注目材料だ」と指摘した。
    原題:Stocks Turn Lower, Dollar Gains as Crude Oil Drops: Markets Wrap(抜粋)
    PRECIOUS: Gold Set for Longest Rally Since May on Dovish Fed(抜粋)
    Oil Dips as U.S. Output Gains Signal No End to a Persistent Glut(抜粋)

    ◎欧州株:ほぼ変わらず-スペイン情勢とFOMC議事録に注目

      12日の欧州株式相場はほぼ変わらず。最新のスペイン情勢を見極めようと様子見姿勢がとられたほか、米利上げの手掛かりとなるFOMC議事録が注目された。

      指標のストックス欧州600指数は前日比0.1%未満高の390.28で終了。業種別19指数のうち14指数が値上がり。構成銘柄で上昇したのは369銘柄、下落したのは214銘柄。

      ドイツのDAX指数は初めて1万3000の大台に乗せた後、終値での最高値を更新。

      スペインのIBEX35指数はほぼ変わらず。ラホイ首相はカタルーニャ自治州政府のプチデモン首相に対し、スペインからの独立を宣言したかどうかについて5日以内に明確化することを求めた。

      その他の主要指数では、英FTSE100指数が0.3%高。フランスのCAC40指数はほぼ変わらず、イタリアのFTSE・MIB指数は0.7%下げた。
    原題:European Stocks Steady as Investors Weigh Spain, FedMinutes(抜粋)

    ◎欧州債:イタリア国債が上昇-改正選挙法巡る信任投票可決で

      12日の欧州債市場ではイタリア国債が大きく上げた。同国議会で反体制派「五つ星運動」に不利となり得る改正選挙法を巡る3つ目の信任投票が可決されたことが背景にある。

      スペインを除く他のユーロ参加国の国債も買われ、利回りは2-3bp低下。ECBのプラート理事が基調的なインフレ圧力はまだ弱いと述べた。

      ドイツ10年債利回りは2bp低下の0.45%、イタリア10年債利回りは4bp下げ2.12%。一方、スペインの10年物利回りは1bp上昇し1.64%。

      イタリア議会は13日までに改正選挙法を巡るもう1つの信任投票を秘密投票で行う。これはより大きな試練となる可能性がある。
    原題:Italy Leads Gains in European Bonds; End-of-Day Curves,Spreads(抜粋)

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