中国人民銀行(中央銀行)は国内経済の特定分野に与信が行き渡っていないとみて、欧州中央銀行(ECB)やイングランド銀行(英中銀)が採用した手法を取り入れた。欧州の2つの中銀より大きな成果を得ることを狙っている。

  当局が国内経済の一部にある過剰債務の抑制を進める中、9月のマネーサプライ(通貨供給量)M2の伸びは市場予想で前年同月比8.9%と、前月に続いて過去最低にとどまったとみられている。こうした中で人民銀は中小零細企業や農業などへの資金供給を増やそうとしている。これらの分野への融資を一定程度拡大した銀行に課す預金準備率を、来年1月から最大1.5ポイント引き下げる措置を9月30日に発表した。大手行の現行の預金準備率は17%。

  今回の人民銀のプログラムは、イングランド銀が導入した融資促進策であるFLS(融資促進のための資金調達スキーム)やECBのTLTRO(条件付き長期リファイナンスオペ)のこれまでの成果を上回る可能性がある。中国は他の形式の金融刺激策を導入しておらず、金融危機後の沈滞状態にあるわけでもないからだ。

  アーンスト・アンド・ヤング(E&Y)のマネジングパートナー、キース・ポグソン氏(香港在勤)は、中国の中小企業は「数十年にわたり栄養不足となっている部分」だと指摘。欧州については「市場に難所がないため苦労している」と述べた。

  中国が実体経済を支えるため、対象を絞った預金準備率の引き下げを最初に実施したのは2014年。ソシエテ・ジェネラルの中国担当チーフエコノミスト、姚煒氏(パリ在勤)は最近のリポートで、中国の金融システムと経済は来年引き締めに直面するとして準備率の引き下げ対象拡大が必要との見方を示した。

  英中銀は12年にFLSを導入。カーニー総裁就任後の14年に、中小企業向け融資に対象を絞ったが、効果は限定的。ECBもドラギ総裁の下、14年にTLTROを開始したが、企業への与信残高が辛うじて増えた程度にとどまっている。

原題:China Could Outdo Carney and Draghi With Targeted Loan Plan (1)(抜粋)

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