米信用情報管理会社エキファックスのシステムから米国民1億4550万人の個人情報が流出した可能性が明るみに出たことから、トランプ政権は導入から80年余り経過した社会保障番号(SSN)に頼らない、新たな個人特定手段を探るよう関係省庁に指示した。

  ホワイトハウスのロブ・ジョイス大統領補佐官(サイバーセキュリティー担当)は「最新の暗号化された識別番号」などの技術を採用したシステム刷新の可能性に言及。ブロックチェーン(分散型デジタル台帳)や生体認証などを基にした政府ないし民間向けシステムを採用している国はすでに幾つかある。


タリンでモバイルIDを使うエストニアの報道官
タリンでモバイルIDを使うエストニアの報道官
フォトグラファー:Fabian Weiss / Redux経由のNew York Times

  エストニアは、政府のシステムにブロックチェーン技術を採用。2007年に全国的サイバー攻撃に見舞われた後、政府は国内企業が開発したブロックチェーンベースのシステムへの移行に着手。ブロックチェーンによる国民の医療記録管理に向けた取り組みを進めている。エストニア国民はマイクロチップ搭載の身分証明書を、選挙での投票やオンラインバンキング、処方箋薬の入手、納税申告、給付金申請など幅広い場面で利用できる。

  エストニア政府のデータベースは「Xロード」と呼ばれるデータ取引プラットフォームが基盤となっている。Xロードのウェブサイトによると、フィンランドやアゼルバイジャンでもこれが利用されている。このほか、日本政府が「マイナンバー」制度の導入でエストニア政府に助言を求めた経緯もある。

引っ越してきた農民が指紋を登録-IDカード・番号を受け取る(インドのニューデリー)
引っ越してきた農民が指紋を登録-IDカード・番号を受け取る(インドのニューデリー)
フォトグラファー:Ruth Fremson / Redux経由のNew York Times

  オーストラリアの税務当局は、コールセンターとモバイルアプリで声による生体認証を行っている。英国では税務関連サービスのアプリを利用している納税者が1月以降、本人認証に使う声紋を登録できるようになった。

  インド政府は生体認証による個人識別プログラム「アドハー」を運用。これに加入し12桁の識別番号を取得しないと銀行口座開設などのサービスが受けられなくなってきたため、国民は加入の必要に迫られている。そしてこの番号が、虹彩や指紋といった生体情報、個人情報、写真等を収める中央のデータベースにリンクされている。

原題:Want to Ditch Social Security Numbers? Try Blockchain(抜粋)

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