東京外国為替市場のドル・円相場は下落。前日公表の9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で低インフレ継続の可能性が示されたことがドル売り圧力となる一方、日米などの株価堅調を受けたリスクセンチメントの改善がドル・円を下支えした。

  ドル・円は12日午後3時55分現在、前日比0.2%安の1ドル=112円26銭。前日の海外時間から市場全体がドル売りに傾斜する中、朝方に付けた112円52銭を高値に仲値にかけて112円32銭まで下落した。その後、日経平均株価が1996年12月以来の2万1000円の大台に迫る動きとなったのを受けて下げ渋ったが、日本株の取引終了とともに112円24銭まで下値を広げた。

  三菱UFJ信託銀行資金為替部為替市場課の池島俊太郎課長は、先週末の米雇用統計後のドルの調整が続く中、FOMC議事録で低インフレが一過性でない可能性が指摘されたことがドル売りにつながっているとし、「欧州時間の序盤まではこの流れが続くのではないか」と説明。ただ、米消費者物価指数(CPI)や小売売上高など主要経済指標の発表を13日に控えて、「米CPIが予想を上回ってドルが戻ることへの警戒から、指標にかけてはドルも戻しやすくなるかもしれない」と述べた。

  ドル・円は9月8日に年初来安値107円32銭を付けた後、10月6日に113円44銭まで約5.7%上昇。その後は上値の重い展開となっている。

  ソシエテ・ジェネラル銀行の鈴木恭輔為替資金営業部長は、FOMC議事録の公表後も、「12月利上げとの見方そのものは変わっていない」と指摘。「来年の利上げペースを考える上で重要な次期米連邦準備制度理事会(FRB)議長人事の決定待ちという感じになっている。日本では衆院選も控えており、こうしたイベントを控える中では動きづらい」と述べた。

  次期FRB議長人事を巡っては、これまでにパウエルFRB理事やウォーシュ元FRB理事、コーン国家経済会議(NEC)委員長の名が浮上しているほか、イエレンFRB議長の続投の可能性も残されている。さらにトランプ大統領は今週、スタンフォード大学のジョン・テーラー教授とも面談すると報じられた。

  ソシエテの鈴木氏は、13日に発表予定の米指標について、「先週末の米雇用統計と同様、ハリケーンの影響が意識され、ドルの大きな動意にはつながりづらい」と説明。「ドル・円はテクニカル的には200日移動平均線までの下げ余地はあるものの、リスクオン環境下で下値も限定的になりそう」と述べた。

  ドルは円以外の主要通貨に対しても軟調。対ユーロで一時1ユーロ=1.1880ドルと9月25日以来の安値を付けたほか、対カナダドルで9月29日以来、対ポンドでは4日以来の水準までドル安が進んだ。

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