米ハンバーガー・チェーンのシェイクシャックは最近、ニューヨーク・アスタープレイスの新店舗で従業員の代わりにセルフオーダー端末を使って注文を取る計画を明らかにした。創業者のダニー・メイヤー氏が従業員やコミュニティーを重視する企業のためにプライベートエクイティ(PE、未公開株)投資資金2億ドル(約225億円)を調達したとの発表もあり、ちょっと不思議なタイミングだ。

  同資金を投資するユニオン・スクエア・ホスピタリティー・グループの最高経営責任者(CEO)でもあるメイヤー氏はブルームバーグ・ニュースとの電話インタビューで、「シェイクシャックの自動化とファンドとは何の関係もない」と指摘。両社のつながりはシェイクシャックの2015年の上場をきっかけに切れたと付け加えた。

創業者ダニー・メイヤー氏
創業者ダニー・メイヤー氏
写真家:Melissa Hom

  シェイクシャックにとって、今は重要な時期だ。同社の株価はこのところ低迷している。高級バーガー市場が過密状態になっている上に、ニューヨークで従業員11人以上の企業を対象に最低賃金を時給15ドルに引き上げる措置が18年末までに実施されるためだ。ただでさえ、ニューヨークの外食店を巡る環境は厳しい。桁外れに高額な家賃がユニオン・スクエアなど人気エリアの店舗を脅かしている(メイヤー氏自身が有名レストランのユニオン・スクエア・カフェを移転したのは不動産コストが主因だった)。従業員ファーストのチェーン店であっても、まずは生き残ることが必要だ。

  シェイクシャックのランディ・ガルッティ最高経営責任者(CEO)は電話インタビューで、「当社の労働コストは急上昇している」と指摘。新店舗は「いかにして対応していくかを見いだす当社なりの方法だ」と述べた。

ランディ・ガルッティCEO
ランディ・ガルッティCEO
写真家:Ryan Pinto

  ガルッティ氏によると、同社はアスタープレイス店の従業員に時給15ドルを支払う。ニューヨーク周辺の他店舗の時給は12.50ドルだが、向こう1年8カ月以内に20%の昇給があるという。同氏は「賃上げの環境でスタート時点の時給は10-30%上がることになり、この影響を当社は今後数年にわたり受ける」と述べた。
  
  新店舗では店内に設置される端末のほか、新技術に対応するキッチンを備えてデリバリーを含む注文を迅速にさばいていく。現金による支払いは受け付けない。店内では「おもてなし」担当のスタッフが顧客を迎え、新たな注文手続きの手助けをするという。

  ガルッティ氏はアスタープレイス店で働く60人強のスタッフをトレーニングしていると説明した。時期や場所にもよるが、シェイクシャック店舗の従業員数は平均で50-75人。

  新店舗でのビジネスモデルが従業員にとって優しいかどうかを尋ねると、ガルッティ、メイヤー両氏ともに顧客にとってどうかとの話に戻す。ガルッティ氏は「現代のおもてなしのためのツール開発を続ける必要がある」と語り、メイヤー氏は空港でのチェックインやレストラン予約などが既にオンラインで済むようになっていると指摘した。

建設中のアスタープレイス店舗
建設中のアスタープレイス店舗
フォトグラファー:Kate Krader / Bloomberg

原題:Danny Meyer on How Automation Won’t Hurt Shake Shack Hospitality(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE