ゴールドマン・サックス・グループとJPモルガン・チェースは次の銀行危機を見越した取引を行う手段を提供し始めた。

  両行が提供するのは、銀行経営難の際に最初に損失を吸収するその他ティア1債(AT1債)の動きを見込む投資をできるようにするデリバティブ(金融派生商品)。トータルリターン・スワップとして知られるこのデリバティブについては、他行も今後数週間内にマーケットメークを開始する計画だと、IHSマークイットのクレジット指数担当ディレクター、マックス・ラッシャー氏は述べた。同社はこのスワップの基になる指数を管理している。

  原資産となるAT1債は欧州債務危機後に公的資金による銀行救済を避けるために導入され、利回りの高さから人気が高まった。今では1500億ドル(約17兆円)規模の市場に成長している。

  新しいデリバティブへの需要の一角は、保有するAT1債の値下がりに対するヘッジを求める投資家からとなる。このデリバティブ取引「参加者の一部はこの資産クラスへのエクスポージャーを求め、ポジションのヘッジを目的とする参加者もいる」と、IHSマークイットがウェブサイトで説明している。

  ラッシャー氏によれば、ゴールドマンはドル建てとユーロ建ての銀行資本証券に連動するiBoxx指数のスワップのマーケットメークを手掛ける。ゴールドマンの欧州クレジットフロー取引共同責任者のマナブ・グプタ氏は、銀行資本証券指数のスワップは同行の「顧客のリスク管理とAT1債市場への広範なエクスポージャーのための有用なツールとなるだろう」と述べた。

  JPモルガンの広報担当者もiBoxx指数のスワップを提供することを認めた。ドイツ銀行はブルームバーグ・バークレイズの指数についてのトータルリターン・スワップ取引を先月開始し、iBoxx指数についての取引も計画していると広報担当者が語った。

原題:Goldman Sachs Offers First Swaps on Riskiest Type of Bank Debt(抜粋)Goldman’s New Bubble Play: A Way to Bet on the Next Bank Crisis

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