英国の不動産業者は、欧州連合(EU)離脱を決めた国民投票後のポンド安がロンドン高級住宅市場への弾みとなると期待していたが、現状は異なる様相を呈している。

  不動産調査会社ロンレスがまとめたデータによると、9月まで3カ月間の首都ロンドンの好立地地区での住宅・アパート販売件数は前年同期からわずか0.5%未満の伸びにとどまっている。このデータは投機家が売却した新規物件と中古住宅の取引に基づいている。

  金融危機後と同様に、ポンド安と不動産価格の下落が、アジアの投資家にロンドンの優良物件を割安で購入する機会を創出した。前回と異なるのは、ロンドンでの物件購入を望んでいた香港とシンガポールの上流中間所得層が既に不動産を所有していることだ。UBSウエルスマネジメントのグローバルチーフエコノミスト、ポール・ドノバン氏は、これら投資家が「資金不足」の状態にあると指摘する。

  その一方で、ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、スー・ムンデン氏は「ポンド安にもかかわらず買い手が少ない。中国の資本規制で資金の流れが細くなったほか、賃貸を目的とした住宅購入への課税などで投資利回りが低下、政治の不透明感で買い手がちゅうちょした」と指摘。市場は行き詰まっていないため売り手は圧力を受けておらず、値引きするよりも売るのを見送っているとも語った。

原題:Pound’s Fall on Brexit Fails to Fuel London Luxury Home Sales(抜粋)

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