今月開幕する5年に一度の中国共産党大会では、1人の人物の処遇に注目が集まる。党内で確立された定年年齢に関する規範によって、習近平総書記(国家主席)がどの程度制約されるかを占う材料となるためだ。

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  その人物とは党内序列6位で反腐敗運動を取り仕切る王岐山政治局常務委員(中央規律検査委員会書記)。定年に関する現行ルールの下では、明文化はされていないものの68歳以上は最高指導部である政治局常務委員会から退かなければならない。党機関紙「学習時報」の副編集長を務めた鄧聿文氏ら識者からは、現在69歳の王氏を今回の党大会で留任させれば、習氏(64)自身も年齢制限を超えて地位にとどまる上での前例を作ることになるとの指摘が聞かれる。

王岐山氏
王岐山氏
写真家:大隅智広/ブルームバーグ

  習総書記がこの問題でどのような決断を下すかは、他の人事や党規約改正とともに今回の党大会の関心事項だ。習氏が数十年続く秩序だった権力委譲システムを維持するつもりなのか、あるいは自身の権威を一段と高めることにさえなる個人が動かすモデルに戻す意向なのかを判断する手掛かりとなるからだ。習氏が党の規範にそれほど縛られない姿勢を示せば、同氏はより大きな経済構造転換を推進する力を得る可能性がある。しかし同時にそれは、今後の政策決定がさらに予測不能になることを意味するかもしれない。

  王氏の去就にかかわらず、習総書記は現世代で最も強力な中国の指導者としての地位を固めようとしているようだ。共産党は9月の政治局会議で、過去5年間の主要な理論と戦略思想を盛り込んで党規約を改正する方針を決定し、習氏の名前が党規約に盛り込まれるとの観測を高めた。

  習氏の意図を知り得る手掛かりとしてはこの他、同氏が明確な後継者を指名するか、自身の側近で最高指導部を固めるかという点もある。

  コンサルティング会社コントロール・リスクスの中国・北アジア情勢分析ディレクター、アンドルー・ギルホルム氏は、人事全般において規範がどの程度守られるかが主要な問題だと指摘。「習氏が政治局常務委員会と政治局に自身のお気に入りを露骨に集めてしまったら、かなり議論を呼ぶだろう」と述べた。

原題:One Man’s Future May Foreshadow Xi’s Plans to Retain Power (1)(抜粋)

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