カナダで65年の歴史を持つ百貨店シアーズ・カナダの店舗閉鎖は、実店舗型の小売企業に新たな暗い影を落としているかもしれないが、ファーストリテイリングには関係がないようだ。

  バンクーバー郊外のショッピングモールに先週オープンしたユニクロでは、開店を待つ買い物客で2つのフロアに1100人を超す長蛇の列ができた。同社のカナダ出店は昨年のトロントでの2店舗に次いで今回が3カ所目。列の先頭の女性客は、午前10時の開店にもかかわらず同5時20分に来て場所取りをした。

  ユニクロ・カナダの林泰寛最高執行責任者(COO)によると、世界的にみて今回のユニクロのオープニングの来客数は過去最高に近い。林氏はインタビューで、「トロントでうまくいけば、消費者の心に響くであろうことはわれわれも認識していた。多様な文化を抱えており、海外のブランドに寛容な都市だ」と語った。「ただ、これほど良い反応は期待していなかった。数字は出せないが、予想をはるかに超えている」という。

  これは、消費者がオンラインショッピングに流れる中で小売業者が実店舗を閉めるという北米の暗いトレンドに逆らっている。シアーズ・カナダが当局に10日提出した資料によると、同社は残る150店舗を清算する計画で、1万2000人が職を失う。リートマンズ・カナダやル・シャトーなどカナダの老舗アパレルメーカーは、近年に何百もの拠点を閉鎖した。米ターゲットは2015年、進出から2年もたたずにカナダから撤退し、多額の損失を計上している。

  ユニクロなどの新規参入者はカナダに好機を見いだしている。ショッピングモールの多くは、シアーズ・カナダやターゲットの撤退後のテナント探しに躍起になっており、ユニクロにはモントリオールやエドモントン、カルガリー、オタワなどの各都市からモールへの出店依頼が後を絶たない、と林氏は語った。ジーユーなど他のブランドの導入も検討する可能性があるという。

原題:Near-Record Crowds Spur Uniqlo Canada Sales Above Expectations(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE