高額のアート作品が展示・販売されるロンドンの「フリーズ・アートフェア」は富裕層向けのイベントであることに間違いはない。入場料は55ポンド(約8200円)と高額だが、一般の人々にも人気だ。今年は10月4-8日に開催され、リージェンツパーク内のテント「フリーズ・ロンドン」や10分ほど歩いた所に設置された「フリーズ・マスターズ」で、絵画や彫刻、それにインスタレーションといった現代アートを多くの人々が楽しんだ。


ワディントン・カストットのブース-アーティストのスタジオを再現する「アット・ワーク・ウィズ・ピーター・ブレーク」
ワディントン・カストットのブース-アーティストのスタジオを再現する「アット・ワーク・ウィズ・ピーター・ブレーク」
撮影:mark@markblower.com

  アート市場が不安定化する中で、ギャラリーの財務面での見通しも不透明になりつつあり、フリーズのようなアートフェアは非常に重要な役割を担う。今年は多くのギャラリーが極めて高価な作品を展示した。

  ベルリンを拠点とするギャラリスト、エシュター・シッパー氏は、アーティストのダニエル・スティーグマン・マングラネによる3つのメタリックカーテンを用いたパビリオンをブースに持ち込んだ。張り出し屋根やペイントされた床を含め総額7万5000ポンドだ。

オスロギャラリーのインテリア
オスロギャラリーのインテリア
撮影:Mark Blowe

  ハウザー・アンド・ワース・ロンドン・ギャラリーのディレクター、ニール・ウェンマン氏は博物館の再現を目指した。「青銅器時代:紀元前3500年-紀元2017年」では古典学者で作家のメアリー・ビアード氏監修のオーディオツアーと共に多くのブロンズ作品を楽しめる。一部は博物館から借り受けたものだが、一部は購入可能だ。「エンターテインメントを試みたつもりだ。楽しさそしてユーモアも感じてもらいたい。さまざまなアーティストがいて、さまざまな価格水準があることを示す好機だ」と語った。このブースのギフトショップで最も安いのは1ポンドの鉛筆。最も高いのは彫刻家ルイーズ・ブルジョワのブロンズ作品で「数百万ドル」だという。

ハウザー・アンド・ワースの「青銅器時代」
ハウザー・アンド・ワースの「青銅器時代」
撮影:Alex Delfanne 

  ハウザー・アンド・ワースなどのギャラリーが、こうしたフェアに印象的なブースを出すのは初めてではない。アートフェアは折々に開催され、いわゆるフェア疲れも見受けられるが、シッパー氏はギャラリーを財務面から支える必要不可欠な仕掛けだと指摘。「アート作品を買うためギャラリーを訪れる人はますます減っている。アートフェアは依然としてスーパーコマーシャルなプラットフォームの一つとして残っている。われわれは販売を通じて生計を立ているのであり、それ以外で生活しているのではない」と述べた。

原題:Art for the Ultra-Rich Is Paying Off for Everyone at Frieze London(抜粋)

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