今年のノーベル経済学賞受賞者であるシカゴ大学のリチャード・セイラー教授は、活況が続き潜在的なリスクに無頓着とも映る現在の株式市場に警戒感を示した。

  セイラー氏はブルームバーグテレビジョンとの電話インタビューで、「われわれは人生で最も危険な時期にあると思われるが、株式市場は油断している様子だ。私には理解できないことを認める」と語った。

  昨年11月の米大統領選でのトランプ氏当選以降、米経済や労働市場が着実に成長する中で、S&P500種株価指数は最高値の更新が続いている。ワシントンでの実際の政策行動は限られているものの、減税への期待も追い風となっている。

  経済主体の不合理かつ衝動的な行動を研究し、行動経済学への貢献が受賞理由とされたセイラー氏は、市場のボラティリティー(変動性)の低さや、投資家が抱き続ける楽観論に懸念を表明した。

  セイラー氏は「自分は不安に感じている。投資家が神経質になれば、動揺しがちだと思われる。市場を動揺させるものは何もないようだ」と発言。株高が税制改革への期待に基づくものだとすれば、「投資家はその実現を信じられなくなっているはずだ」と述べ、税制改革が実行されるという「確信がどこから得られるのか」分からないと主張した。

  昨年の英国民投票で欧州連合(EU)離脱が選択されたことについては、幻滅に基づくものだと指摘し、離脱プロセスも「生産的な方向に向かう様子はない」との見方を示した。

セイラー教授
セイラー教授
写真家:スコット・オルソン/ゲッティイメージズ

原題:Nobel Economist Thaler Says He’s Nervous About Stock Market(抜粋)

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