ソフトバンクの孫正義社長は米携帯電話業界の巨人を誕生させる夢に再び取り組んでいるが、合意を復活させたとしても前回の試みを頓挫させた同じ司法当局者の多くが審査に当たることになる。

  事情に詳しい関係者3人によれば、米司法省反トラスト局の専属弁護士らは、孫氏が率いるスプリントTモバイルUSを合併させる計画を携帯電話市場の競争に脅威となると見なす可能性が高い。このため合併計画の行方はトランプ政権下で就任したメイカン・デルラヒム反トラスト局長が阻止に向けて提訴ないし却下、あるいは承認の勧告をどう受け入れるかの判断に委ねられることになる。

  ブルームバーグは今月6日、スプリントとTモバイルが合併への最終合意に向け詳細を詰めており、両社が10月下旬に四半期決算を発表する際に合意を公表する公算が大きいと報じた。司法省は、まだ正式提案されていない両社合併計画について最終判断を下していない。

  司法省と連邦通信委員会(FCC)は3年前、大手携帯電話会社が4社から3社に減るため競争が阻害されるとして合併案に反対しており、今回新たな合併案がまとまっても当時と同じ懸念の多くに対処する必要がある。トランプ政権下でFCC委員長に就任したアジット・パイ氏は、必ずしも4社で線引きすることはないと述べているため、司法省の判断が重要なハードルになる。

  元反トラスト局首席法律顧問で現在はパブリック・ナレッジの社長を務めるジーン・キメルマン氏は「この合併が承認される確率を大幅に改善するものは見当たらない」と述べ、「非常に苦しい戦いだ」と付け加えた。同氏はAT&TによるTモバイル買収を阻止するため司法省が2011年に提訴した当時、反トラスト局首席法律顧問を務めていた。

  司法省の報道官は未決定の取引やうわさされる取引について、反トラスト局としてはコメントしないと説明。スプリントとTモバイル、ソフトバンクの広報担当はそれぞれコメントを拒否し、FCCの報道官もコメントを控えた。

原題:Sprint’s Revived T-Mobile Push Hurtles Toward Old U.S. Foes (1)(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE