社債信用指標が悪化「神鋼ショック」、データ改ざん問題で

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  • 社債スプレッドは前週末の3.8倍、CDSは同4.2倍に跳ね上がった
  • 「市場はタカタを連想したようだが、過剰反応」と大和証の大橋氏

Kobe Steel Ltd. Headquarters in Kobe, Hyogo, Japan.

Photographer: Buddihika Weerasinghe/Bloomberg

アルミや銅の製品の一部でデータ改ざんが見つかった神戸製鋼所の信用指標が急速に悪化している。10日の市場で同社社債の利回りが急上昇(価格は急落)したり、社債保証コストは前週末の4倍以上に跳ね上がっている。

  企業の信用リスクが悪化すると社債利回りは上昇し、信用力の高い国債利回りとの格差(スプレッド)が広がってくる。ブルームバーグのデータによると、神戸鋼債(2021年11月償還、表面利率1.217%)の対国債スプレッドは10日、203ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と、前週末の55bpの3.8倍に到達、起債以来最高値となった。

  CMAによれば、社債保証コストのクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)5年物は同日、239bpと前週末の4.2倍に急拡大した。

  神戸鋼は連休中の8日、顧客の製品仕様に適合させるため、強度などの検査証明書のデータを書き換えて出荷していた事実が判明したと発表した。現時点で分かっている出荷期間は16年9月1日から17年8月31日まで。納入先は約200社に及ぶという。さらに顧客1社向けに供給された鉄粉製品1つで品質データの改ざんがあったことが11日、判明している。

  日本格付研究所(JCR)による同社の格付けはA+で、見通しは「安定的」だった。今回の事態を受けて、JCRは10日、見解を発表。「今後の調査結果次第では当社に大きな負担が生じる可能性も否定できない」として、事態の進展や調査結果の内容、収益・財務への影響を注視しながら格付けに反映させていく方針を示した。

タカタを連想か

  大和証券の大橋俊安チーフクレジットアナリストは11日付のリポートで、同社の信用指標の急速な悪化について「これほどの価格変動になるとは予想していなかった」として、「神鋼ショック」と評し、クレジット市場は「タカタのエアバック事故の事例と重ね合せたようだ」とみている。

  アルミ・銅事業は神戸鋼のコア事業であり、データ改ざんが自動車・鉄道・航空など安全性を厳しく問われる部材で発生した点もタカタとの類似点だとしているが、大橋氏自身は「安全を脅かす事故につながるか否かがまだ判明しておらず、資産・事業売却など損失に対応する手段も豊富だ」と指摘。10日のクレジット市場の動きは「過剰反応」とみている。

  11日付の日本経済新聞朝刊は、データ改ざん問題を受けて収益力が低下するリスクがあるとして、神戸鋼は不動産事業の子会社を売却する方針を固めたと報じた。これに対し、同社は「現時点で決定したものはない」とのコメントを発表した。 

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