神戸鋼株が連日の大幅安、鉄粉などでデータ改ざん確認-影響懸念

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  • 神戸鋼の時価総額は11日までの2日間で1800億円弱減少
  • 神戸鋼は鉄粉や液晶材料でもデータ改ざんを確認したと発表

Kobe Steel Ltd. Headquarters in Kobe, Hyogo, Japan.

Photographer: Buddhika Weerasinghe/Bloomberg

神戸製鋼所の株価は11日、一時前日比218円(20%)安の850円と昨年11月10日以来、約11カ月ぶりの水準まで下落した。強度などのデータが改ざんされたアルミや銅製品が自動車や鉄道、航空機、防衛産業など幅広い分野で使用されていたことや、鉄粉などでもデータ改ざんが行われていた疑いがあることが明らかになり、同社の業績や信頼に対する今後の影響拡大が懸念されている。

  株価終値は同190円(18%)安の878円。データ改ざんが明らかになって以降、この2日間で同社の時価総額は1800億円弱減少した。

  経済産業省は神戸鋼に対して最終製品への安全性の影響の有無など事実関係を調査し、早急に報告するよう指示した。同省の小見山康二・金属課長は10日の会見で「現在はわれわれの指示を受けて神戸鋼が顧客に対する報告を行い、顧客と共に安全性の検証を進めていると理解している」と説明。「早急に安全性についての問題の有無を公表できるよう検証を急ぐよう求めていく」と述べた。

  防衛関連では三菱重工業、川崎重工業、SUBARU、IHIの各社の製品でデータが改ざんされた部品が使用されていたことを経産省では確認したとしており、安全性についての検証結果の報告を待っているという。

  野村証券の松本裕司アナリストらは10日付の投資家向けリポートで「リコール費用などの費用が発生するリスクに追加して、数量面でのマイナス影響が神戸鋼の損益に発生する可能性がある」と指摘。UACJ日本軽金属ホールディングスなどの競合アルミ会社の生産能力もフル操業であるため、短期的にはシェアが他社に大きく移行する可能性は低いとした上で「中期的な視点からはシェアが一定程度低下するリスクはある」との見方を示した。

  SMBC日興証券の山口敦シニアアナリストらも同日付のリポートで「仮に業績への影響が軽微であっても、顧客や投資家からの信頼を失った可能性は高く、問題の根は深い」と指摘した。

鉄粉や液晶材料でも改ざんを確認

  神戸鋼の勝川四志彦・常務執行役員は11日夜、都内で記者会見し、鉄粉や液晶材料などに使用されるターゲット材でもデータを改ざんした製品を出荷していたことを確認したと発表した。鉄粉は顧客1社に対して1鋼種を納入。ターゲット材については子会社のコベルコ科研が製造した未検査の製品を納入したほか、検査データを改ざんした製品も出荷したという。顧客数は70社、出荷枚数は6611枚。

  鉄粉、ターゲット材ともに顧客の求める検査数値の上限を超えていたものを出荷していた。アルミや銅製品のデータ改ざんが組織的に行われていたのに対して、今回新たに確認した2つの案件については個人による不正行為だと捉えていると説明。出荷先についてはコメントを控えた。 

  勝川常務は社内に設置した品質調査委員会などによる調査を国内外のグループ会社を含めて実施している最中として、今回の2つの案件以外にも「場合によってはさらに出てくる可能性はある」と述べた。
   
  野上浩太郎官房副長官は同日午前の会見で、神戸鋼のデータ改ざん問題について「公正な取引の基盤を揺るがす不適切な行為。こうした事態を招いた原因の徹底究明、再発の防止はもちろん顧客のみならず社会全体からの信頼回復に向けて最大限の努力を求めていきたい」と語った。

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