ドル全面安、北朝鮮警戒重しで対円は112円台後半-ユーロ堅調

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  • ドル・円は112円83銭まで上昇した後、112円58銭まで下落
  • 北朝鮮から何かあれば円を買う方向-三井住友銀

東京外国為替市場でドルは主要通貨に対して全面安。北朝鮮の朝鮮労働党創建記念日に当たり、軍事的な挑発への警戒感が重しとなり、ドル・円相場は1ドル=112円台後半で推移した。

  10日午後2時52分現在のドル・円相場は前日比ほぼ横ばいの1ドル=112円63銭。朝方に112円83銭まで上昇した。その後は水準を切り下げ、午後に入り一時112円58銭まで下落した。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は、一時0.2%下落の1167.27を付けた。

  三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは、「北朝鮮リスクが強い。ロシア政府高官が北朝鮮は長距離ミサイル発射の可能性があると発言しており、きょうは朝鮮労働党創建記念日。北朝鮮から何かあれば円を買う方向」と説明した。

  北朝鮮国営の朝鮮中央通信は9日、米国と国連による政治的・経済的制裁は同国の「主権および主権国家としての存在と発展の権利を完全に否定するものだ。軍事的侵略や戦争とほとんど同じだ」と伝えた。またロシア下院議員は7日、北朝鮮は米西海岸にも到達できるミサイル試射を計画していると発言していた。

  一方、トランプ米大統領は9日、「我が国は25年にわたって北朝鮮への対処に失敗してきた。数十億ドルを費やし、何も得られなかった。政策は機能しなかった!」とツイートした。

  野村証券外国為替部の高松弘一エグゼクティブ・ディレクターは、「日米金利差はドル買い材料ではあるものの、北朝鮮リスクがある分、思い切って買えない面はありそう」と指摘。「下値は何が材料になるかがポイント。北朝鮮のミサイル試射であれば、112円割れがあっても戻しは早そう。タカ派FRB(米連邦準備制度理事会)による米金利上昇が米株下落につながると下押しが深くなるリスク」と語った。

  10日の米国では、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁とダラス連銀のカプラン総裁が講演する。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.3%高の1ユーロ=1.1770ドル。朝方に一時1.1782ドルまでユーロ高・ドル安に振れた。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジストは、「月末に欧州中央銀行(ECB)会合があり、年明け以降のテーパーリング(量的緩和縮小)計画が発表される見通しを含め、欧州通貨は売られない」と指摘。もっとも、「スペイン・カタルーニャ州独立やドイツ連立政権協議など政治的な不透明感が重し」とも述べた。

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