日本銀行は残存期間1年以下の国債買い入れオペを減額した。同ゾーンのオペは足元で応札額が減るなど需給が逼迫(ひっぱく)しやすい状況になりつつあり、国債買い入れの持続性を維持するために減額されたとの見方が出ている。

  日銀は10日午前10時10分の金融調節で、残存1年以下の国債買い入れオペを前回より300億円減額の700億円と通知した。6月2日のオペ以降、700億円から1000億円に増額されていた。1年以下のオペは4月から5月にかけて応札倍率が8倍台まで上昇するなど金融機関からの売り圧力が強まる場面もあったが、最近では需給が引き締まり、前回9月19日には2.22倍と約1年ぶりの低倍率を付けた。

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、 オペ減額は予想されていなかったとしながらも、「日銀は短期国債の保有残高を減らしていく方針の中、金融緩和策の持続性維持の観点から減らした格好だ。市場の需給が堅調で減らせるタイミングを捉えた」との見方を示した。

大口の売却需要低下

  残存1年以下のオペが1000億円に増額された際は、金融機関1社当たりの応札額に500億円の上限が付けられたが、今回は全額の700億円まで応札が可能となった。今年度初めなどのように1社がオペで全額落札するといった一部の金融機関による売り圧力は和らいでいる。

  東短リサーチの寺田寿明上席研究員は、「残存期間が短くなった国債を投資家が大量に売るニーズは一時期に比べて落ちている可能性があり、日銀の買い入れで流動性が低下してしまうことに配慮したのではないか」と指摘。「国債を売ってキャッシュが増えても今は困る。レポ市場も含めた全体的な需給をケアしたのだろう」と言う。

  日銀が発表した同オペの結果によると、700億円の買い入れ通知に対して4152億円の応札が集まり、703億円を落札。応札倍率は前回2.22倍を上回る5.91倍と、5月19日(8.22倍)以来の高水準になった。

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