モノやサービスを含む海外との総合的な取引を示す経常収支は、8月速報で38カ月連続の黒字となった。市場予想も上回った。財務省が10日発表した。

キーポイント

  • 経常収支は前年同月比20.8%増の2兆3804億円の黒字(ブルームバーグ調査の予想中央値は2兆2233億円の黒字)ー黒字幅は2カ月連続増加
  • 輸出から輸入を差し引いた貿易収支は46.2%増の3187億円の黒字(予想は2649億円の黒字)ー黒字は3カ月連続

エコノミストの見方

  • 野村証券の棚橋研吾エコノミストは6日の電話取材で、新型「iPhone(アイフォーン)」を見据えた半導体需要の高まりや、米国向けの工場機械や自動車が寄与し、夏場は輸出が堅調だったと指摘。第1次所得収支については、8月中の為替相場が若干の円高で推移していたことや、欧米の金利が低下傾向にあることから「証券投資収益のところで低調になる」と予想した。
  • SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは5日付リポートで、8月はお盆休みの影響で「生産・輸出規模が縮小する季節性がある」とし、経常黒字が縮小するとの見方を示した。また、生産拠点の海外移転や輸入依存度の高まりから貿易黒字が拡大しづらく、「日本の稼ぐ構造はモノ(貿易収支)からカネ(第1次所得収支)へ徐々に変化している」と指摘した。
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