10日の東京株式相場は続伸し、TOPIXは10年ぶりの高値。党創建記念日を迎えた北朝鮮がミサイル発射実験を行わず、地政学リスクへの過度な警戒が和らいだほか、衆院選での与党勝利に楽観的な見方も広がった。政策支援期待の建設株が上げ、電機など輸出株、サービスや小売株も高い。

  TOPIXの終値は前週末比7.98ポイント(0.5%)高の1695.14と続伸。2015年8月のアベノミクス相場の高値(1691.29)を超え、07年7月31日(1706.18)以来の水準に戻した。日経平均株価は132円80銭(0.6%)高の2万0823円51銭と6日続伸。6日連続高は、昨年12月16日までの9日連続高以来。

  三井住友アセットマネジメントの吉川雅幸チーフマクロストラテジストは、「グローバルな景気回復の中で米国の減税期待、日本と北朝鮮の政治リスクが少し緩和され、上値を追いにいっている」と指摘。北朝鮮情勢はなお予断を許さないが、TOPIXと関係の深い名目GDP(国内総生産)が毎年2%の成長を続ければ、来年末に560兆円に接近するとし、先読みする株式市場では「来年前半に1800ポイントを試しにいく」との見方を示した。

東証内
東証内
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  3連休明けの日本株は、朝鮮労働党創建記念日を迎えた北朝鮮による挑発行動が懸念され、小幅安で開始。しかし売り圧力は限定的で、早々にプラス転換すると、午後は上げ幅を広げる展開となった。

  米国のトランプ大統領は7日のツイッターで、北朝鮮との過去の外交は失敗に終わったとし、「うまくいくのは一つだけだ」と北朝鮮を威嚇。SMBCフレンド証券投資情報部の松野利彦チーフストラテジストは、「トランプ大統領の意味深な発言も警戒された」と言う。

  寄り付き直後の売りが一巡した相場は徐々に持ち直し。東海東京調査センターの仙石誠マーケットアナリストは、「早朝に発射されるケースの多かった北朝鮮ミサイルがこの時間まで何もないと、きょうは何もないのかもしれないという安心感が市場に広がった」とみる。

  国内政局や足元の米国経済に対する楽観的な見方も支援材料になった。衆院選は10日に公示され、22日の投開票に向け与野党の攻防が本格的にスタート。3連休中に各党党首は討論会をこなし、政策を説明した。東洋証券の大塚竜太ストラテジストは、「希望の党の勢いがなくなってきた印象で、マーケットにプラスに働いている」との見方を示した。読売新聞が7ー8日に行った調査によると、比例代表の投票先政党は自民32%、希望は13%と前回の19%から下がった。

  また、SMBCフ証の松野氏は、「マーケットは米雇用統計の平均時給の伸びを評価し、影響はポジティブ」と話していた。6日に米労働省が発表した9月の米雇用統計は、ハリケーンの影響で非農業部門の雇用者数は市場の増加予想に対し、3万3000人の減少となったが、平均時給は前月比0.5%増と予想の0.3%増より良かった。

  東証1部33業種は建設、サービス、小売、倉庫・運輸、情報・通信、電機など24業種が上昇。下落は保険、鉄鋼、鉱業、石油・石炭製品、卸売など9業種。建設について、三井住友アセットの吉川氏は「どこの政党の公約も財政拡張方向が多く、五輪を控え建設需要も十分期待できる」と指摘した。

  個別では、ソフトバンクグループやトヨタ自動車、キーエンス、リクルートホールディングス、大成建設が高い。半面、データ改ざん製品の出荷事実が判明した神戸製鋼所は、信頼性の低下からストップ安。北米のハリケーンやメキシコ地震による損害発生額が最大1100億円としたMS&ADインシュアランスグループホールディングスも下げた。

  • 東証1部の売買高は14億8520万株、売買代金は2兆5442億円
  • 値上がり銘柄数は1421、値下がりは523
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