衆院選(定数465)が10日公示され、22日の投開票に向けた選挙戦がスタートした。小池百合子東京都知事が率いる希望の党結成をきっかけに野党の構図が激変する中で、5年近く政権の座にある安倍晋三首相(自民党総裁)の政治姿勢が問われる選挙となる。政策面では消費税や憲法改正、原発政策などをめぐり、論戦が交わされる見通しだ。

党首討論で勢ぞろいした与野党党首、10月8日
党首討論で勢ぞろいした与野党党首、10月8日
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  衆院選で自民、公明の連立与党は勝敗ラインを過半数の233と設定。289の小選挙区のうち、あわせて286人の公認候補を擁立するほか、残り3選挙区でも自民党内の調整が難航して公認を得られなかった前職らが出馬する。野党側は東京と大阪の小選挙区で調整を行っている希望の党と日本維新の会、安保法制反対などで足並みをそろえる立憲民主、共産、社民の各党という二つの勢力で戦う。

  政治ジャーナリストの細川珠生氏は、3極の構図が鮮明になったことは、ここ数年の1強多弱の政治状況と比べ国民の選択肢が広がったとの見方を示す。ただ、新党が準備は整わない状況で選挙戦を迎えるため「政策が煮詰められていない」と指摘。争点の一つである消費増税についても、背景を含め「材料がないとなかなか判断できない」と政策で投票先を決めることが難しいとの見方を示した。

  読売新聞が7、8日に実施した世論調査によると、比例代表の投票先政党はトップの自民党が32%と前回調査(9月28、29日)の34%からほぼ横ばい。希望の党は13%と前回の19%から下がり、立憲民主党が7%で続いた。この他、公明党が5%、共産党が4%、日本維新の会が3%。「決めていない」は27%だった。

  与党側は政権選択の選挙である衆院選で過半数を確保できれば、特別国会で行われる首相指名選挙で安倍首相に投票するが、小選挙区・比例単独あわせて235人を公認した希望の党は首相候補の名前を明らかにしていない。小池代表は8日のNHK番組で自身の衆院選出馬を否定した上で、「結果を見ながら考えていく」として選挙後に判断する意向を示した。

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第一声

  安倍首相は10日、福島県での第一声で「未来を切り開くのはブーム、スローガンではない。政策こそ未来を切り開く」と主張。公明党の山口那津男代表は北海道で、自公連立政権に「これからの日本を担わせていただきたい」と演説した。

  希望の党の小池氏は東京都内で演説し、「政治が信頼を確保できない中でまたこれまでの延長線の政権が続く。安倍1強政治を終わらせようではないか」と訴えた。日本維新の会の松井一郎代表は大阪市で「政治は口先だけではない、実行力だ」と語った。

  一方、立憲民主党の枝野幸男代表は仙台市で「まっとうな政治を取り戻し、まっとうな暮らしを取り戻すために新しい受け皿が必要だ」と呼び掛けた。共産党の志位和夫委員長は都内で「安倍政権を退場に追い込む歴史的なチャンスの選挙だ」と強調。社民党の吉田忠智党首も大分県で「安倍首相の政治姿勢が問われる選挙だ」と語った。

  日本のこころの中野正志代表は都内で安倍政権を支持する姿勢をあらためて示した。各党党首の第一声はインターネット動画配信サイト「ニコニコ動画」が放映した。
 

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