10月2週(10ー13日)の日本株は上値を試す展開が見込まれる。米国で製造業を中心に良好な経済指標が相次ぎ世界景気の先行き楽観論が強まる中、米国の長期金利が緩やかに上昇し、ドル高・円安基調が継続している。企業業績の上振れ期待から電機など輸出関連や銀行など金融株中心に買われそうだ。

  日本では小売企業、米国では銀行の決算が発表され、業績を手掛かりとした売買が活発になる。10日に高島屋、11日にローソン、12日にセブン&アイ・ホールディングスとファーストリテイリング、米JPモルガン・チェース、米シティグループが公表する予定だ。日本アジア証券の清水三津雄エクイティ・ストラテジストは「安倍首相が2兆円の経済対策に言及したため国内景気はさらに加速、企業業績拡大を背景に株価は上昇する可能性が高い」とみる。

東証外観
東証外観
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  11日に米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(9月19、20日開催分)が発表されるほか、12、13日にはワシントンでG20財務相・中央銀行総裁会議が開催され、欧米金融当局者らの景気認識に注目が集まる。連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長候補のパウエルFRB理事は12、13日に講演を予定、発言次第で米国債や為替相場が揺れそうだ。

  このほかのイベントは、10日が北朝鮮の労働党創建記念日と日本の衆院選公示日、11日が中国で共産党中央委員会。北朝鮮の記念日前後は地政学的リスクが意識されるほか、22日投開票の衆院選も控え、短期過熱感から利益確定売りが出やすく上げの勢いは抑制されそう。テクニカル指標の1つで買われ過ぎ、売られ過ぎを計る日経平均株価の相対力指数(RSI)は6日時点で73%と、買われ過ぎとされる70%超だ。第1週の日経平均は週間で1.6%高の2万0690円71銭と4週連続で上昇し、終値ベースで2年2カ月ぶりの高値。

<<市場関係者の見方>>
三井住友アセットマネジメントの石山仁チーフストラテジスト
  「北朝鮮問題は米国、北朝鮮双方が威嚇し合ったため大きなヤマ場は越えており、グローバルな地政学的リスクはいったん収まっている。世界の景況感は良好、緩やかな金利上昇下で流動性も担保され、グローバル投資家のリスクオンは続く。為替が1ドル=112-113円で安定推移しており業績上振れ期待が持てる環境だ。上期決算での増益や通期最高益を先んじて織り込む流れとなれば、日経平均は予想株価収益率(PER)15倍の2万1000円の上抜けもあり得る」

大和住銀投信投資顧問・株式運用部の小出修グループリーダー
  「もみ合いと予想する。地政学的リスクを意識しつつ、企業業績の上方修正や株主還元など好材料を期待した動きとのせめぎ合いになろう。懸念材料の北朝鮮リスクは、仮に北朝鮮がミサイルを撃っても一瞬のノイズだと捉えている。衆院選は、小池百合子代表が出馬せずに東京都知事に専念するのなら希望の党だけで一気に過半数を得るのは難しい。自公で過半数獲得は揺るがず、むしろ選挙後に政党同士の再編の動きなどが出てくるかどうかが焦点」

しんきんアセットマネジメント投信の鈴木和仁シニアストラテジスト
  「方向感が定まらないだろう。良好な米景況感からドルは円に対して強含み、好業績を背景とした先高観はあるものの、主要な米経済指標の発表がなく、日経平均の2015年高値(2万0952円)を狙うには材料不足。一方で、東証1部騰落レシオなどテクニカル指標は過熱気味で、利益確定売りに押されるリスクがあり、北朝鮮が挑発行為に出れば2万0200円まで下落する可能性がある。逆にタカ派と言われるウォーシュ氏のFRB議長指名、米税制改革の進展、北朝鮮リスクの後退が重なれば、米金利2.5%、1ドル=115円近いドル高・円安となり、2万900円台を目指す展開もあり得る」

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