【コラム】トランプ大統領が選ぶ次期FRB議長は誰か-コチャラコタ

トランプ大統領

s in Washington, DC, September 29, 2017. / AFP PHOTO / SAUL LOEB (Photo credit should read SAUL LOEB/AFP/Getty Images)

トランプ米大統領は次期連邦準備制度理事会(FRB)議長に誰を指名するか今後数週間に発表すると述べた。大統領の判断材料を全て考慮した結果、私はパウエルFRB理事が指名されると予想する。

  大統領はパウエル理事に加え、現職のイエレン議長、ウォーシュ元FRB理事、コーン国家経済会議(NEC)委員長に面談したと報じられている。大統領とそのチームが候補者を選定するのに当たり、2つの重要なポイントがあると考えられる。

  まず、トランプ政権として米金融当局の現行の政策運営姿勢とその発展形を望んでいることが挙げられる。次に、金融当局による金融機関への現行規制は過度に制約的だと政権は受け止めている。

  大統領の観点から考えた場合のイエレン議長の問題は、同議長が8月にジャクソンホールで行った講演で、政権が掲げる反規制の政策課題に意図的な形で強い懸念を表明してみせたことだ。ウォーシュ氏の問題点は、過去の同氏の言動を踏まえると、大統領が望むよりも高めの金利を支持する可能性が強いことだろう。

  コーン氏はどうか。同氏は政権に加わるまでゴールドマン・サックス・グループの社長を務めていた。同氏が大統領の望むような成長重視の金融政策や緩めの金融規制を推進しようとした場合、この経歴が同氏のリーダーシップを巡る一般のイメージにずっとマイナスに作用するだろう。

  この結果、パウエル理事が残りの選択肢となる。

  就任から5年余りが経過したパウエル理事は、金融政策決定で反対票を投じたことはなく、米金融当局のスタンスから公に外れたこともない。議長に就任した場合、イエレン議長が支えてきたのに近いような金融政策を追求する公算が大きいと考えられる。

  同時に、パウエル理事はボルカー・ルールを含む銀行規制の緩和を穏やかではあるが明確に支持してきた。タルーロ理事が4月初めに退任後、銀行監督担当を引き継いだパウエル理事は、銀行業界がかねて望んできたような形で監督手法を変更すると約束している。

  このようにパウエル理事はトランプ大統領の基準をクリアすることになり、そのことが、大統領が同理事の指名を発表することになると私が予想する理由だ。

  パウエル理事は良い選択となるだろうか。私は引き続き、トランプ大統領がイエレン議長の優れた実績を認め、続投させるべきだと考えている。それでも、イエレン議長が選択から外れるなら、パウエル理事がFRBトップの座に就くことで、金融当局が最大限の雇用と物価安定の2つの責務を達成する公算が最も大きくなると想定する。

(ナラヤナ・コチャラコタ氏はブルームバーグ・ビューのコラムニストで、2009-15年に米ミネアポリス連銀総裁を務めた。このコラムの内容は必ずしもブルームバーグ・エル・ピー編集部の意見を反映するものではありません)

原題:Who Trump Will Choose to Lead the Fed: Narayana Kocherlakota(抜粋)

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