日産自動車で無資格の従業員が車両の完成検査をしていた問題で、国土交通省は6日、同社の5つの工場で社内規定では認められていない検査員が完成検査を行い、認定検査員の印鑑を使って検査表に押印していたことを確認したと明らかにした。日産自が約116万台のリコールを届け出たことも発表した。

  日産自が届け出たリコールの対象車は、2014年1月から17年9月に製造された「ノート」や「セレナ」など計38車種。日産自がOEM(相手先ブランド生産)供給したいすゞ自動車やスズキ、マツダ、三菱自動車の車種も含まれる。日産自は2日時点では、製造時期が14年10月から17年9月までのものが約121万台がリコールの対象になると発表していた。

  台数が116万台に減少した背景について、国交省の木内信仁リコール業務指導官は、日産自が新車登録から最初の車検までの期間が短い貨物自動車の数を含めたていたことなどが影響したと説明。また、リコール後の点検作業は検査員が指定整備工場で実施し、検査時間は1台あたり2時間半から4時間半必要になる見通しだという。

  西川廣人社長は2日の会見で謝罪し、問題は「あるところでは常態化していたところがある」とし、原因と再発防止策をまとめ1カ月以内に報告する考えを示した。また、リコール費用は約250億円に上るとの試算も示していた。

  石井啓一国交相は6日午前の閣議後会見で、無資格で検査を行っていた従業員には期間従業員も含まれていたと述べた。また、日産車体の一工場では、同じ名前で印影が異なる複数の印鑑の使用も確認されているという。不正が組織的に行われていたかについては調査中だとし、「組織的に書類が偽造されていたとすれば非常に問題」と指摘した。再発を防止するため、完成検査の在り方についても見直しを検討する考えを明らかにした。

研修の一環

  問題は9月に行われた日産自工場への国交省の抜き打ち検査で発覚した。国交省は今月3日に日産自栃木工場などにも立ち入り検査を実施するなど全6工場での完成検査表記録を調査。同省審査・リコール課の林健一課長補佐は国交相の会見後に、不正な押印について、日産自からは「研修の一環との説明を受けている」と話した。

  ファイブスター投信投資顧問の大木昌光運用部長は、「排ガス問題を契機に三菱自を吸収した会社がこういうことをしていた場合、何を信用していいのかという問題になる。三菱自とやっていることの深刻さは同じ」と指摘。

  ただ、日産自株については、配当利回りの高さや日本株全体が大型株主導の上昇トレンドにあることなどを背景に「いまのマーケットはあまり気にしていない。個別株の要因があまり勘案されない相場」との見方を示した。6日の日産自の終値は前日比0.5%高の1091.5円だった。

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