ポンド価格「つり上げろ」、上司が命令-HSBC元トレーダーが証言

  • HSBCの元外為グローバル責任者、ジョンソン被告の審理進む
  • HSBCは利益を得、顧客は過払いした-元トレーダーのケーヒル氏

英銀HSBCホールディングスのロンドン・オフィスを舞台に、外為責任者が部下にポンドの価格を「つり上げろ」と指示していた状況が米国の裁判で明らかになった。その直後に執行された35億ドル(現在のレートで約3940億円)規模の為替取引について、米検察当局は最初から為替操作の意図があったとみている。

  HSBCの元外為キャッシュトレーディング・グローバル責任者、マーク・ジョンソン被告は顧客の注文を成立させる前に自ら売買し、利益を膨らませるフロントランニングを繰り返していたとして、詐欺罪に問われている。ニューヨーク市ブルックリンの連邦裁判所で4日に開かれた審問で、部下のトレーダーだったフランク・ケーヒル氏が証言し、フロントランニングにまつわるやりとりが明らかになった。同行の欧州為替トレーディング責任者を務めていたスチュアート・スコット被告もこの件で訴追されているが、米国への引き渡しに抵抗している。

  ケーヒル氏は2011年7月のトレーディングを振り返り、スチュアート被告がポンド相場を「強引に押し上げるよう求めてきた」と発言。一方、当時ニューヨークから電話で取引に関与したジョンソン被告が、相場の操作を指示したことは一度もなかったと証言した。

  HSBCは当時、英ケアン・エナジーからドル建ての事業売却益をポンドに換金するよう委託を受けていた。米検察の主張によれば、両被告はこのトレーディング執行に先駆けてポンドを購入し、ケーヒル氏含む複数のトレーダーにもポンド買いを指示、相場を人為的につり上げ、同行に800万ドルの利益をもたらした。

  ケーヒル氏は検察官の質問に対し、ケアン・エナジーの取引執行直前に自分たちが行ったトレーディングでポンド相場が上昇したと認め、それはケアンにとって最善の利益ではなかったと述べた。

原題:Ex-HSBC Trader Says Boss Ordered Him to ‘Ramp’ Pound Price (1)(抜粋)

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